うん、普通、ものが燃えるときは空気が必要だよね。空気の中の「酸素(さんそ)」というガスが、火を付ける助けになっているから、地球上では酸素がい〜っぱいないと、燃えないんだよね。 で、確かに太陽は燃えてるけど、太陽の周りに酸素がいっぱいあるなんて、聞いたことないよね。キミは太陽の表面がどれぐらいの温度か知ってる? 実は6千度ぐらいあるの。ところがね、6千度というのは、宇宙の中では低い温度なんだよね。
でも、太陽を中のほうまでどんどん掘っていくと、なんとこれが1千万度以上になるんです。1千万度ってちょっと想像がつかないよね。 でね、46億年ぐらい昔、原因はよくわからないんだけど、今の太陽があるあたりに色々なガスがたくさん集まってきて、それがどんどん縮まってきたんです。
そうすると、熱が外に出られなくなってきて、中の温度がどんどん高くなるの。 それが1千万度ぐらいになると、難しい言葉で「核融合反応(かくゆうごうはんのう)」っていうんだけど、温度がグワーッと高くなる、という現象が起こるんだ。 これが太陽の燃え方なんです。これだと酸素がいらないんだよ。だから普通にものが燃えるのとは違うしくみで燃えてるのね。 ところが、この燃え方でも燃料がなくなるとやっぱり燃えないの。
だから太陽も、生まれてから100億年ぐらいたつと、燃料になっている「水素(すいそ)」がなくなってしまうので、命を終えると思われています。
100億年というと想像がつかないけど、いま、太陽ができてから46億年ぐらいだから、ちょうど人生のど真ん中という感じですよね。
宇宙科学研究所・的川 泰宣 先生
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