全国こども電話相談室[その他]

歌手はどういう仕事をして歌がうまくなったのですか？（小2・女の子）

森先生：仕事はかんけいないですね。それに練習はひつようですが･･･練習をすればいいと言うものでもないんです。
あなたはどんな歌が好きかな？　たとえば、テンポがはやい歌とかゆっくりした歌があるでしょう？　歌にも色々なしゅるいがあります。大きく分けるとリズムにのってうたう歌と、たっぷりゆったり歌うスローな歌があります。「歌心（うたごころ）」という言葉があるんですが、歌を歌うときに大切なのは「歌に心がこもること」なんです。そしてその心が伝わっていくことが大切です。
その時、まず一番大切なのは「自分の世界」を作ることなんですね。なんでもそうなんですが「自分の世界」ができれば、相手に「伝えよう」としなくても伝わるものなんですね。よく歌をうまく歌おうとがんばって、「自分の世界」ができる前に相手に「伝えよう」とすることがあります。でも、そうすると自分がこわれてしまうことがあるんです。これはスポーツでも仕事でも勉強でもすべてのことがそうなんです。まず「自分の世界」を自分の中に作ってイメージをする。それから体を動かしたり、声を出したり、人と話したりすることが大切なんです。だから歌をうまくなるというよりも自分の世界を作ることの方が大切なんですよ。
お父さんお母さんが「勉強しなさい」と言った時にやった勉強は、あまり自分のためになってなくておぼえていないよね。それよりも「どうなっているんだろう」とか「知りたいな」と思える自分の好きなことの方がどんどん自分の中に入ってきますよね。
昔、おじさんは東京じゃなくていなかの方にいました。学校の帰りに「あー」と声を出すと、ほんとうに自分の心の中から「ひびいてくるもの」があるんです。そういう心は、人の心に届きやすいし、自分の心にもいいんですね。
スポーツも同じです。自分の心と体がいっしょになった時にいいものが出てくるんですね。

歌手：森　進一　先生

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