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落合恵子先生がおすすめする『ファンタジーの本』があったら教えて下さい。
(小6・女の子)
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落合先生:今までどんなファンタジーを読んでいますか?
こども:ナルニヤ国物語とかが好きです。
落合先生:どんな感じで読んだか教えて。
こども:えっと、最初の「ライオンと魔女」はクローゼットの中に入ったら、不思議なナルニヤ国の世界にいけるのがすごく面白くて、今ちょうど「馬と少年」を読んでいて銀の石とかもすごい良くて・・・
落合先生:そうかぁ。物語には、ファンタジーじゃなくて普通の物語もあるでしょう? それと違うファンタジーの面白さはどんな所にあると思いますか?
こども:魔法使いとか不思議の世界とかそういうものが出てくるのが好きです。
落合先生:ドキドキワクワクするんだ。
こども:はい。
落合先生:あのね、モモとかゲド戦記とか読んだことはありますか?
こども:ゲド戦記は家にあります。
落合先生:なるほど、ならどんなファンタジーの本を読んでもいいと思いますよ。私ね、誰かがおすすめしたからこの本を読みましょうというよりかは、家にモモがあったりゲド戦記があったりするならそこから読むといいと思います。私は本屋さんもやっているんですけど、そこにはおよそ5万冊の本がおいてあります。そして、その本の中にいてゆっくりしていると、それこそファンタジーの世界ですが、本のほうから「私を読んで」という声があるんです。あなたは色々な本を読んでいる中で、「いろいろと感じることのできる心」が育っていると思います。だから本が見えない世界で手をふってくれるのも感じることができるのではないかしら? 「読んで!!」と言った本を手にとって1ページ、もしくは2、3行でもいいから読んでみて。そして「これ私にあっている」と思ったら、「じゃあ、おうちに帰ろうね」と手にとってみてください。そうしておうちに帰ったらそこにもうひとつのファンタジーの世界が広がると思うんです。
たくさん本の置いてある所に行ってその本が呼ぶ声を聞いてみて下さい。大人って「早く選びなさい! 忙しいのよ!!」って言ってしまいがちだけど、たくさん本がある所で本の声を聞くところからもう読書なんですね。
エッセイスト:落合恵子 先生
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