その他
Q. 映画や本は作り物なのに、なんで人は感動したり驚いたりするんですか? (中1・おんな)
A. 映画の中にも、ドキュメンタリーとかドラマとかミュージカルとかっていうふうに、いろいろな種類があるでしょう?で、ドキュメンタリーなんかは、作り物じゃないよね。もちろん作るんだけど、そこに写されているのは、例えば難民の人たちがとても悲しい顔をしていたりします。
今、コソボがそうですよね。それを写してると、苦しんでる人が本当にそこにいるわけ。それとは別に、俳優さんたちが本当に苦しんでるように演技をする、つまり、事実に沿って演じるという作り方もあります。
いろいろな作り方があるけど、じゃあどうして作り物なのに感動するかっていうと、作り物のほうが、物の本質、つまり、いちばん大事なところをヒョイって出せるんですね。作る人はいちばん大事なところを考えて、俳優さんに「ここで泣いて下さい」「ここで笑って下さい」っていろんな事を言うと、俳優さんはそれを演じるわけですよね。
そうすると、作る側が何を伝えたいかってことがはっきりしてるから、いちばん大事なところだけをギューっと取り出せるわけ。その、ギューっと詰まったいいところが出てることで、ぼくたちは感動するわけですよ。
わかる?本も同じですよ。詩の本もあるし絵本もあるし小説もあるしドキュメントもあるし、それぞれの中で色々な表現があって、同じように、いちばん大事なギューっと出ている部分が人の心を動かしていくんです。キミもいろいろな映画や本を見て、たくさん感動して下さい。

放送タレント・永 六輔 先生

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