TBSラジオ〜聞けば、見えてくる〜  
TBSラジオ2010年度採用情報
開会式を前に、8月6日の女子サッカー予選から第29回夏季オリンピック・北京オリンピックは始まりました。すでに北京入りしていたスタッフもTBSラジオの関係部署もすべてスタンバイOK!とはいえ始まってみなければわからないこともたくさんあるのがオリンピック。期間中の5人の様子です。
期間中(1)北京発の情報を伝える者の使命 〜北京特派員として、JC統括として
現地の情報をつたえる特派員はどのような日々をおくっていたのでしょうか
TBSラジオ オリンピック特派員 鳥山穣
細かいデータや全体の状況に関しては東京の方が詳しい。北京で盛り上がっていることと日本で盛り上がっていることは違う。北京にいてその感覚の差をどう埋めるかってことですよね。

朝駆け取材に始まりブログ作成で終わる毎日
僕は開会式の4日前に北京入りして、先乗りしていたスポーツの藤田先輩に合流。期間中は毎晩、ホテルの僕の部屋で反省会をして「明日の○○選手のインタビューには誰が行く」「何の競技を取材する」などを生島さん・藤田・僕の3人で打合わせ、決まったことを東京の制作スタッフにメールして、番組リポートの交渉もしていました。
生島さんマイク前
生島さんマイクの前で
鳥の巣前にて
競技場内マスコミ作業部屋
鳥の巣前にて
鳥の巣前にて

日本の選手がメダルを獲得した翌朝、テレビやラジオで選手の様子を見聞きした方も多いと思います。北京と東京の時差はマイナス1時間。日本で「北島選手が朝7時過ぎに出る」というとき、北京の現地時間では「6時過ぎに」ってことになります。僕は4時半に起きてバスで30分ほどのIBCメディアセンターへ行き、生出演してもらう北島選手とTBSラジオの番組スタジオの間を取り持ちます。その後は午前中の競技を取材して「荒川強啓デイ・キャッチ!」の生放送でリポート。インタビューした音声を日本に送り、ディレクターに電話やメールで「番組ではここを使って」と指示を出す。それからさらに別の競技を取材して夜の番組でまたリポートし、インタビューの音声を送ってからホテルに戻る。3人で次の日の打ち合わせをし、日本にメール連絡。最後にその日あった事をブログに書いて寝る。と、こういうスケジュールが、23日間続きました。

選手の声をTBSラジオに一分一秒でも早く送る
選手が競技を終えて息を切らせながら控室に帰るまでの間に、よくテレビで映っているゴチャゴチャと込み合ったところ、あそこはミックスゾーンといって基本的に取材が自由に出来る場所です。自分たちでインタビューすることもあれば、他局記者の質問への答えにマイクを向けることもありました。はっきり言ってとったもん勝ちの世界。ポジションどりで傷だらけになります。そうやって録った音声素材はできるだけ早くTBSラジオの放送で出したい。僕らは技術担当の小沢さんと相談して、インタビュー素材をインターネットを使って音声データで送るシステムをとりました。オリンピック施設内でインターネット接続に必要なカードを購入し、競技場で取材、現場から即PCからネット経由で送るってことができたので、柔道の谷亮子選手が負けた直後とソフトボールの上野由岐子選手が決勝を制した直後の音声は、TBSがラジオで一番最初に出す事が出来たはずです。他局は競技場から送信のための設備が整っているIBCまで1時間近くかけて移動して日本に素材を送ってましたから、テレビも含めて一番だったと思いますよ。
北京・東京・地方局を技術が結び、そこに「放送素材」と「スタッフの思い」が自在に流れ始めます。
技術デスク 小沢冬平
やっぱりどこの局よりも早く流すというところは命かけてますね、うん。

開催期間中崩れない体制を固める
最初は混乱するものなんですよ。鳥山記者から「素材をアップしたんだけど誰に連絡すればいいんだ、本部にかけても誰も出ないぞ!」みたいなテンション高めの電話がかかってきたりね。考えているようにうまく情報が流れないこともあって、現場のほうは熱くなってるからちょっとしたことも頭にきたりするんですよ(笑)。僕はそういうのを受け止めて、本部に必要なことは伝える。それがうまくまわりだすと、現場も、本部も、番組もみんなハッピーになれる。連絡系統にしても、いまはみんな携帯電話を持ってるから、直接誰かに電話をして素材を送っちゃえばその場は早いんだけど、それをやると収集がつかなくなるんですよ。いつかはバテてしまう。短距離走のときはそれでいいんですけどオリンピックは1ヶ月弱くらいあるんで、その間崩れないでいけるような体勢が必要だったし、走りながら上手く整えていけたと思います。
TBSラジオオリンピック本部
TBSラジオオリンピック本部
TBSラジオオリンピック本部
TBSラジオ
オリンピック本部

飛び込みのオーダー
各地方局からの求めに応じて競技実況を伝送する民放連のお仕事の方は、民放ラジオ技術チーフの文化放送さんから僕らのところに、指令のメールが毎日バンバン送られてくるんです。それをTBS用にまとめて、社内で情報を共有して、ことに当たると。あらかじめ飛び込みのオーダーにも対応できるよう余裕をもって計画をたててました。で、実際、予想していた範囲は超えなくてラッキーでした。

洗練された方法で効率的に生放送に盛り込む
星野監督のインタビューもUNIの鳥山記者たちが競技場から無線LANを使ってアップし、こちらですぐにダウンロードしました。その間が何分だったかちょっと正確にはわかりませんけど、とにかく早かったんです。日本のラジオ局では一番だったと後で聞きました。しかも実はコストが超安い方法でして(笑)。ちょっと前まではこんな作戦は想像もできなかったですね。
そうなると今度は、8階のオリンピック本部に届いた音声素材を、9階の生スタジオに持って行く時間がもったいないと感じるようになりました。走って1分弱くらいなんですけど、それも惜しい、ということになって。特に、北島選手が金メダルをとるかも、というときは、ちょうど「大沢悠里のゆうゆうワイド」の時間だったので生放送の隣のスタジオに特別に実況音声を立ち上げて、そこから最短距離で生スタジオに素材を搬入するという特別ルールを作ったりもしました。こういうところは編成の三条さんも気合入れて考えてたと思います。
一方、JC統括・碧海の北京での日々は・・・
JCラジオ統括 碧海 純
アナウンサーと解説者が競技場へ行っても、基本的に僕はIBCの留守番ですからね、ずーっと待ってるんですよ

決起集会、本格始動
IBC(国際放送センター)は例の「鳥の巣」の隣にあって、その中にあるJCの部屋が、われわれのオフィスでありスタジオであり、スタジアムから届く画や音声を受けて日本に送るところでもあるわけです。開会前には各会場を下見して、放送席やインタビューエリアの様子などを確認し、全スタッフ到着後に決起集会をやって、その翌日からアナウンサーたちは各競技場に散り始めましたね。サッカー競技場は北京から何百キロも離れてたので。
IBC(国際放送センター)
IBC(国際放送センター)
鳥の巣
鳥の巣

4時間睡眠
期間中は、毎朝9時半からJCデスクの会議がありました。ホテルからIBCまでバスで40分くらいかかるんですよ、うん、遠かった・・・。毎朝7時起床、朝食、8時のバスに乗って9時にIBCに到着という感じです。で、帰る時間が遅いわけ、だいたい午前2時か3時。なぜかっていうと競技が、特にバレーボールの日本戦がいつも夜だったから。開始予定が10時でも、1時間くらい平気で遅れて始まって、第5セットまでいっちゃうと、2時間じゃ終わらない。統括=指揮官だから試合が終わるまでは当然本部にいなきゃいけないからね。一日の平均睡眠時間はだいたい4時間です。あれがもっと早い時間のスタートだったらなぁ・・・(笑)。
それから、競技の時間が当日になって変更になったり、急遽、やっぱりこの局もこの競技を中継したいというのでここに加えて下さい等、配信表は毎日アップデートしていました。

身内に厳しく
気心しれたTBSのみんなから電話がかかってくるんだけれど、JCの周りのみんなが聞いているからね、あのひとTBSの仕事ばっかりしてる、って思われたらまずいんで、電話をもらうよりもこちらからかけて“明日の放送だけどこういう風にしたらどう?”とかっていうのはやっていました。もちろん、TBSラジオのためだけじゃなく、ニッポン放送や文化放送さんにも同じようにしていたんですけれど、特に身内には厳しくしてました。中立でいなくてはという意識は強かったです。
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