TBSラジオ〜聞けば、見えてくる〜  
TBSラジオ2010年度採用情報
北京オリンピックへの道〜営業が技術が、そして特派員がスタンバイ
編成が競技の放送枠を決めると、営業の作業が始まります。
トラフィック担当 赤木舞子
2008年4月入社。TBSテレビとの合同研修、ラジオ研修を経て営業推進部に配属され、タイム班に。本来は豪放磊落な性質であるがオリンピックでは、右も左もわからぬ中、諸先輩に叱咤激励されながらスポンサーやCMに関連する緻密な作業を続けた。
「すっごく大変だよ」とずっと言われていたので「まぁ、大変なんだろうな」って思っていたんですけど…

担当業務
編成が決めた試合の放送枠の、どの時間帯にどのスポンサーさんのCMを流すのかというCMガイダンスを作り、そのプランをコンピューターに入力して各部署に連絡するのが、営業推進部タイムチームのトラフィック担当の私の役目でした。また、各スポンサーさんに対して、「何月何日何時からあなたのCMを流します」という文書を毎回事前にお出しするのも私の業務です。

営推の準備作業
営業推進部で準備を始めたのは大体一ヶ月くらい前からです。試合日程が決まりだした時点で“どの試合を売るのか?”というのをまず決めるという事と、オリンピック中継の影響を受けるプロ野球ナイターのスポンサーさんのCMをどこに振り替えるのか、など細かく詰めていく事を主にやっていました。
今までTBSラジオでは何回もオリンピックを経験していますが、今回の北京オリンピックは時差が少なくてゴールデンタイムに試合が多かったんです。前例がない、新人の私だけでなくみんなにとって初めてのことだったので、全て一から会議をして決めていきました。準備会議は多かったです(笑)。

具体的には
この表なんですけれども、「この日はこれとこれの試合を放送する」と決めるのが編成さんですよね。で、そのうちどの試合を売るのかは営業判断です。その中継が決まる前にあったCMをナイターに振り替えるのか、オリンピックに振り替えるのか、または全然違う日に振り替えるのかということを、外勤の方や代理店さんと相談しながらやっていました。
毎日「この枠が空いてますよ」、「ここは売れました」、「この枠を売って来て下さい」というように、更新して伝えて行く感じですね。で、実際に枠が売れると、外勤さんからこういうピンクの紙が出てくるので、これを見ながらパソコンに入力し、「どの時間帯にどのスポンサーさんのCMを流しますよ」と各関連部署に連絡するのです。
CMのミスはゆるされないので、作業量もさることながら、緻密さがすごく必要とされるのがちょっと気が遠くなる感じでした。
技術的な準備も進んでいます。
技術デスク 小沢冬平
1991年入社後、一貫してラジオ技術マンとして番組、中継、設備開発案件を担当。制作兼務でディレクター経験も。現在のTBSラジオの時報メロディや交通情報ジングルなどを趣味半分(!)で作曲している。
うまくハンドリングしないと、ディレクターの夢が絵に描いた餅になってしまう…

一つ目の役割
僕の仕事は、技術的なサポート全般で、主な役割は2つありました。
ひとつは、民放連(※2)の仕事。北京のJCから東京のキー局(TBS、文化放送、ニッポン放送、TFM、J-WAVE)にあがってくる音を、それぞれの分担で、ほしいという地方局に配信する役目です。たとえば北海道放送さんから『野球の予選がほしい』というリクエストがあると応じるわけです。民放連の一員として、この作業は絶対にしくじってはならないんです、TBSの看板に泥を塗ってしまうから。
※2:【民放連】社団法人日本民間放送連盟。NAB(National Association of Commercial Broadcasters in Japan)とも。民間ラジオ・テレビ放送事業者による団体。

二つ目の役割
もうひとつは、TBSラジオUNI(※3)として、どうやったら他社より抜きん出て少しでも早く速報を入れたり、有益な情報を入れられるかということを技術的に考える役目です。やり方はたくさんある中で、どれだけ洗練された方法でスピーディかつ効率的に、情報として放送に盛り込むことが出来るかということを工夫する。他の局に勝つような技術プランを考えて、そこは出し抜かないと、やっぱりね、負けちゃうわけですよ、各局も勝つためにいろいろ作戦考えているんで。
※3:【UNI】(ユニ)TBSやニッポン放送といった局の単位。TBSラジオだと「TBS UNI」、ニッポン放送だと「LF UNI」などと呼ばれる。

具体的には
まず放送センター8階の大きなラジオスタジオにラジオ五輪本部をつくり、オリンピックの素材や情報がすべてそこに集まるように設備を整えました。TBSラジオは恵まれていて、テレビ回線センターに各競技場の映像と音声が4回線ドンとあがってくるので、社内交渉してその回線をラジオ五輪本部にも立ち上げて、実況音声が使えるように、全競技をDVDに残せるシステムを組みました。他にも碧海スポーツ部長の厳しい要求(笑)もあって、準備する機材が当初予想の4倍くらいに膨れ上がっちゃって、オリンピック開幕の3週間前くらいからバッタバタでした。でもこれだけ準備しておいたお陰で、どんな要求にも応えられるシステムになりました。機材の後ろはケーブルがスパゲッティ状態でしたね。

目指せストレスフリー
制作スタッフが、なるべく技術的なストレスを感じないような工夫もしました。北京のIBC(※4)に置くマシンは、たとえばリポーターの生島淳さんひとりでもサクッと使えるような、なるべくシンプルなものを選んだりしたのも、その配慮のひとつです。それから、現場といっぱい会話しないと解決できない問題ってあるんです。でも国際電話だとなんとなく通話コストも気になる。そこで、インターネットのボイスチャットを使って、いつでも横にいるような感じで気楽に呼びかけられる環境を作ったんですけど、馬鹿な話とか無駄話ができるとお互いハッピーになるから、準備段階では非常に有効でした。
※4:【IBC】(International Broadcast Center:国際放送センター)。オリンピックのため設置され、世界中のテレビ・ラジオ局の特設スタジオを擁する。ここから全世界に競技の映像や音声が配信される。

UNIチームフォロー
UNIの鳥山記者や藤田記者には取材用に小型のICレコーダーを渡し、音声素材はすぐに現地からインターネットにアップするよう伝えました。こちらでそれを確認し、即スタジオに持ち込む手筈ですが、制作と技術の連携はとても重要で、貴重な素材があってもそれを日本でオンエアするまでの流れをうまく打ち合わせてハンドリングしないともったいない事になるのです。結果的に今回はその仕組みも連携もすごくうまくいったと思いますね。

民放連の方は
「民放連オリンピックラジオ部会」という集まりがありまして、他局の方々と顔合わせをして、どういう方式でやるのが各々の負担が少なく、公平で、地方局にも喜ばれて、ラジオとして一番元気にやっていけるかということを局を超えて話し合うんです。お互い協力していきましょうという世界。でも同時に「UNIはどうやんの?」とか、「なんかあっちの局、面白いこと考えているぞ」みたいな探りも入れつつ・・・。今回始めてオリンピック部会にメンバーとして参加したので、その政治的なというか、部会のメンバーとしての探りあい(笑)は初めての経験で面白かったです。
オリンピック特派員は渡航の準備です。
TBSラジオ オリンピック特派員 鳥山穣
TBS UNIのオリンピック特派員として8月6日から25日まで北京に滞在。2003年入社。営業推進部を経て番組制作に異動し、「荒川強啓デイ・キャッチ!」「Life」担当中。中越地震やJR福知山線脱線事故、中国四川大地震など数多くの現場から記者リポートも行った。
四川大地震の取材のときの通訳にお願いして北京にきてもらうことにしました。

ディレクターたちの要望
「記者としてリポートしろ」「選手のインタビュー録ってこい」「両方してこい」「街中見てリポートして」など、いろいろあったので、その都度リクエストに応えよう、なるべく日本で報道されているものとは違う事を取材しようと思いました。あとは毎日ブログを書くことを渡航の前日に命じられましたね。後々これが一番シンドかったです。

準備作業
2008年1月の終わりくらいから始めました。まず、アクレディテーション(accreditation:身分証明書)の申請です。パスポートと僕の個人情報をオリンピック委員会に提出すると、仮登録書が送られてきます。ビザの代わりになるこの仮登録書を持って北京へ入り、空港でボランティアにシールを貼ってもらうと、登録が完成されるんです。オリンピック関連施設に入る時は全部このバーコードを読み取らせてから金属探知器、手荷物のX線検査をしないと入れなかったので、僕が何時にどこの施設にいたかというのは全て、中国政府に筒抜けだったのでしょうね(笑)。

登録
渡航前にカメラの登録も申請しました。ご承知のようにデジカメで撮った画像データは、全て「○○メーカーの××機種のシリアルナンバー△△のカメラで撮った」というのが分るようになっています。
例えば、選手の肖像権を侵害するような写真が無許可のウェブサイトなどに掲載された場合、誰が載せたかを特定できるように、北京オリンピック委員会に対してカメラの情報を登録しなくてはなりませんでした。

下調べ
デイ・キャッチ!」で普段からスポーツ新聞は全紙目を通していますが、気になる競技や選手などは雑誌などでチェックしたり、TBSラジオ北京オリンピック・スペシャルリポーターの生島淳さんなどに話を聞いたりしていました。
中国語の勉強は・・・武田記者(注:TBSラジオ名物政治記者で中国通)に少しだけ教えてもらいました(笑)。
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