過去の議事録

2016年12月6日(火)開催 第147回 TBSラジオ番組審議会より
今年一番印象に残った番組・TBSラジオの放送全般に対するご意見について

出席者(敬称略)

委員長大石 裕 
副委員長伊藤 英敏 
委員増田 弥生 ペリー荻野 水科 孝之 伊藤 美希子

局側出席者

 入江 社長

 須郷番組審議会事務局長

 柳澤編成局長

 石垣制作部長

委員の主な発言

・今年印象に残ったラジオ番組

◇「伊集院光とラジオと」
前任の大沢悠里さんの「ゆうゆうワイド」から引き継ぎ、TBSラジオの看板を背負うことになった訳ですが、その大役を見事に担っているかと思います。聴取率もトップに立ち、名実ともに看板番組になったのではないかと思います。テンポの良い伊集院さんの語りと、日替わりのアシスタントとのやり取りは、とても心地よいものです。私だけの印象かも知れませんが、日替わりのアシスタント毎に語り口調が微妙に違っているような気がします。つまり、伊集院さんが相手によって変わっているんですね。これも見事だと思います。もちろん、伊集院さんのスタンスは同じで変わっている訳ではありませんが、受けや、ツッコミの当たりの違いを感じます。相変わらずの幅広い知識も、重要な要素ですし、素晴らしいと思っています。しばらく「独走」が続くのではないでしょうか。

◇「安住紳一郎の日曜天国」
テレビとは違う、安住アナウンサーの歯に衣着せぬコメントが大変面白く、かつ貴重だと感じています。

・TBSラジオの放送全般についてのご意見・望むこと今年印象に残ったラジオ番組

◇中高生世代と議論したり、考える番組があってもいいと思います。難しい世代ですが、顔が見えないラジオならではの取り上げ方があるのではといつも思います。

◇ラジオの世界全体に言える事なのかも知れませんが、もっとPRをお願いいしたいと思います。ラジオではテレビ番組のPRは耳にしますが、テレビでラジオ番組のPRは目にしません。その理由は、ラジオには、どうしても「テレビより下」とか「テレビの次」のようなイメージが、出来上がっているからなのかも知れませんね。私は全くそのようなことはないと思っています。ラジオでしか味わえないもの、映像が無い楽しさや、音自体の楽しみなど、ラジオならではのものが沢山あると思います。

◇すべての番組を聴いているわけではありませんが、意見を述べさせていただきますと、大変幅広いパーソナリティー群に加えて、幅広いジャンルの番組を揃えていらっしゃると感じています。以前、音楽がメインのFM局でお手伝いをしたことがあったのですが、単一ジャンル(それでも番組は幅広いですが)局と比べると、様々な色、顔を持っていると思います。ですので、番組毎の違いが分かりやすいと感じました。
これだけの番組が無料で聞けるということに改めて驚いています。もちろんテレビ同様広告費などの収益で賄っているとは思うのですが、なかなか広告収入が厳しいという現状もお聞きしていますので、今後も続いていくようラジオ発の新しいビジネスモデルが生まれれば良いなと、具体的なアイディアもない身ではありますが、聴取率No.1のTBSラジオに対して望んでいることです。


・TBSラジオの報道・速報体制に対するご意見

◇ラジオ独自の取材、専門家との連携とともにテレビとの連動企画もしてよいのではと思います。

◇熊本の震災も復興できていない現実はなかなか報道されません。速報も大切ですが、人脈を駆使して、市民目線のレポートを定期的に積むなどしてほしいと思います。

◇報道は簡単ではないと思います。私もテレビ報道の現場に15年ほどおりますが、日々、神経を使っております。私はニュース制作の最終行程にあたるMA作業に携わっているのですが、最も気を付けているのは“間違った日本語”を、放送直前に阻止することです。昔の言葉は理解出来ないスタッフが増えました。その割に、総じて昔の言葉を使いたがるのです。また二重表現を使ってしまいがちです。
これらはアナウンサーだけの問題ではなく、会社全体としての問題でしょう。スーパーやテロップに間違いが多いことは周知の事実ですし、インタビュアーの言葉も酷いのが多いですね。ラジオは映像がありませんが、だからこそ耳に心地よい正しい日本語を使うように努めて欲しいと思っています。

◇速報に限らずニュース全般について述べさせていただきます。
番組にもよりますが、一つ一つの番組にもっとニュースが多くても良いかと思います。
生放送でないものに関しては厳しいかもしれませんが、私はニュースの時間が増えることに賛成です。私たち生活者は世の中で何が起きているのかを関心を持って生活しなければいけないと思っているのですが、様々なメディア、エンターテイメントが溢れている中ではなかなかニュースを読む、耳を傾ける時間が意識しないと取れていない状況だと思います。番組それぞれのカラーがありますから、その雰囲気を壊さないような判断は必要かと思いますが、ニュースが入ってきても問題ないと思っています。ラジオというメディアにとっても、ニュースを届けるということは使命の一つかと思いますので、ぜひ期待しています。

◇ラジオというメディアが速報性という点で、いまだ優位であることは確かだと思います。そのぶん、報道(特に第一報)に関してはかなり慎重を要すると思います。いまだ不確定な情報の場合には、必ずそのことの断りを何度も入れ、放送することが肝要です。事実がある程度確定した後の解説に関しては、質・量いずれも高水準の専門家データベースを作っておくことが必要だと思います。TBSの記者や解説委員だけでは、やはり限界があるからです。


以上



(TBSラジオ番組審議会事務局)