過去の議事録

2006年10月23日(月)開催 第45回TBSラジオ&コミュニケーションズ番組審議会より
「大沢悠里のゆうゆうワイド」

出席者(敬称略)

委員長吉越浩一郎 
副委員長山野 勝 
委員萩原健太 野地秩嘉 多田羅万由美

局側出席者

清水 社長

余田 編成制作局長

入江 番組審議会事務局長

河野 経営企画室長

北山 プロデューサー

番組の概要について

「大沢悠里のゆうゆうワイド」は月曜から金曜の午前8時半から午後1時までの4時間半の生放送です。今回は10月9日(月曜日)に放送された中から、8時半から10時半までの前半の2時間について審議しました。
今年の4月7日で満20年になった長寿番組で、主婦の方と自営業の方々によく聞いていただいています。
メインパーソナリティは大沢悠里さん。月曜日のアシスタントは西村知江子さんで、医学とか政治経済に関するお話からやわらか目の話題まで幅広く取り上げます。今回は休日ということでもあり、V6の坂本君にゲストで出ていただきました。
そのほかの曜日は、火曜日が歌手の佐田玲子さん、水曜日は女優の五月みどりさん、木曜日はスポーツキャスターの陣内貴美子さん、金曜日は演歌歌手のさこみちよさんがアシスタントです。
4時間半の中に、毒蝮三太夫さんの「ミュージックプレゼント」や、森山良子さんの「ハートオブポップス」、「小沢昭一の小沢昭一的こころ」、永六輔さんの「誰かとどこかで」といった番組など、悠里さんと非常に親和性の高い番組が多く入っておりますので、そんなに違和感なく4時間半はつくれているかなと考えております。

主な委員の発言とプロデューサーの発言

★ この時間帯にタクシーに乗ると、かなり高い確率で運転手さんに聞かれているとわかります。長く続いていることと、聴取率の高さが本番組のよさを実証していて、1つのメディアブランドになっていると感じます。大沢さんの独特のほんわかした声に安心感を持ちながら聞き始めましたが、この日は大下香奈さんという方のさわやかな歌がすぐ入り、休日らしい心地よさを提供してくれる予感が高まりました。交通情報やニュースなど各コーナーへのつなぎも、バトンがきれいに迅速に渡されていくようで、チームワークも見事と推測できます。

★ 対象が高齢者向けなのかなと思いました。CMはその方針に合っていて有効に入っているようです。大沢さんがCMの内容に直接かかわりを持っている点はリスナーに不快はないですし、バランスが大切だと思いますが、現状はよい感じです。

★ どんなゲストが登場しても、すぐに悠里さんの世界になじみ、この完成された枠組みの中で自分らしさを発揮し、会話が弾むようです。V6の坂本さんは、最近舞台などに出ているなと見ていましたが、35歳になり、いろいろな人生経験を経て魅力が増していることを改めて知りました。蜷川さんの指導に笑顔で応じ、認められていったとのエピソードがよかったです。ジャニーズ事務所に入るにはどうしたらいいのでしょうかというリスナーからの質問に、自分のケースを詳しく話し、最近の後輩たちの例も紹介してくれたサービス精神に好感が持てました。

★ 軽やかなのに、心に届く番組で、マイナス面はほとんどないと思いました。多くのスポンサーにも期待されているので、今後もCMがお得な情報の1つと思われるバランスを維持してもらえるとよいと思いました。大沢さんと制作スタッフの皆さんが力を合わせて丁寧に送り出しているブランドですから、これからもその魅力を維持、進化していただければと期待しています。

★ 5337回と聞いて、何年ぐらいなんだろうと思ったんですが、20年と伺って結構感動いたしました。

★ 先ほどもおっしゃっていましたが、高齢者被害特別相談とかのことを、東京都からのお知らせということで西村さんがすごく詳しくお知らせしていらしたので、そこで、高齢者のリスナーの方がまず多いのかなと思いました。

★ 「テレフォン身の上相談」コーナーですけれども、たまたまちょうど私の友人からそういった話で、どうしたものかねという相談を受けていたばかりだったので、妙につぼにはまった感じでした。きっと相談者とカウンセラーの方は自分たちのことなのでよく納得いかれていたんでしょうが、ちょっと漠然としていて、普通に聞いているリスナーとしては、もうちょっと詳しく聞きたかったかなという感じを受けました。

★ V6の坂本さんは一時、旅行代理店にお勤めされていたとか、そういうことを知らなかったので、ジャニーズにもこういう感じの人がいるのねというので新たな発見で、興味深く聞かせていただきました。

★ 大沢さんの魅力というのは何だろうなと思って、1つは声で、もう1つは東京の場所をよく知っているというか、知識が随分ある。特に場所を知っているというのは、ラジオのキャラクターというか、パーソナリティーの人にとっては物すごく有利なことなんだろうなと思いました。

★ インタビュー番組として、大沢さんというのは物すごくすぐれているなと思ったのは、坂本さんの話を聞いていて、多分雑誌のインタビューではジャニーズ事務所のタレントからこういう話を聞き出す取材者というのはほとんどあり得ないんじゃないかなと。それは原稿をチェックするということがあるからだと思いますが。タレントに原稿に見せるようになったら、多分こういう面白い話って聞けなくなるんじゃないか。大沢さんのインタビューコーナーは本にしても面白いけれども、きっと本にはならないでしょうね。

★ この番組は毎日毎日、非常に安心する形で構成されている番組なんだなと思います。それも歳月がそのように育てたというか、つまり、1回聞いた僕のような人間が「ここはこうした方がいいんじゃないか」と言う余地がない、何か練り上げられた、もちろんいろんな事情があるとは思いますけれども、CMの関係とか時間枠とかある上で最善の形に組み上げられているんだなという印象は受けました。ですから、非常に落ちついて聞けるといいますか、安心して、むしろ斬新な部分がないことが、この時間帯にはとても大事なことなんだろうなということも感じさせてもらいました。

★ ちょっとひっかかったのは、電話での身の上相談のところなんですけれども、それはこの日特有のことで、田岡さんという個性でいらっしゃったからかもしれないんですけれども、相談もいまひとつ漠然とはしていたんですけれども、その個別的なことではなく、講演での持ちネタみたいなので、それに対して答えちゃっているような感じを多少受けたんです。こういう相談物というのはとても難しいと思いますので、その日その日で全く印象は変わってくると思いますが、この回はそこがちょっと気になりました。

★ 一言で言いますと、抜群の安定感がある番組ということで、非常に安心して聞けるというのが一番のこの番組のよさだと思うんです。「大沢悠里のゆうゆうワイド」って歌が出ますよね。時には出演者の人が歌うようなこともあるかと思いますけれども、あの音楽を聞いていると、きょうも始まってきたなという、非常に安心できる、そういうので、まずこの番組にすっと入っていける、そんな感じですよね。

★ 今回はV6の坂本昌行さんがゲストでした。私は坂本さんのことを余りよく知らなかったんですけれども、長時間話しているうちにだんだん彼の素の顔というんですか、ジャニーズに入るためにはどうしたんですかとか、入るときのいきさつとか、それから、びっくりしたのは、新人を採るときには舞台に上げて一緒に踊らせて、それが逆に面接のかわりになっているんだという話がありましたけれども、そういうのは初めて聞いた話でしたし、大沢さんと西村さんの2人が引っ張り出してくる質問の中で徐々に膨らんできたというのが、さすがベテランの2人だなと感心をしました。

★ それから、番組に天気予報と簡単なニュースと交通情報が割と頻繁に入ってくるというのは、この朝の時間帯では大変いいことだと思います。恐らくラジオの前でしっかり聞く人よりも、むしろいろんな家事をやったりとか、ながらの聞き方が多い時間帯だと思いますので、そういう意味では、こういう便利な、必要な情報というのが適宜流れていくのは大変いい構成だと思いました。

★ 「テレフォン身の上相談」ですが、私はちょっと印象が違っていて、非常に感動しました。今回の質問の内容がちょっと微妙だったものだから、具体的にこうこうこういうのがありましたよというのはなかなか言えなかったんだと思うんです。ですから、お母さんが怒ったのは、本当はどういうことを言われたから怒ったのかというのが見えなかったんですが、これは質問の内容に応じてだからやむを得ないのかなと思いましたが、具体性がもっとあると、もっとわかりやすかったと思いますが、これはなかなか難しいところですね。ですが、田岡由伎さんですか、この人の説明の仕方と熱意、そういうものが大変感じられて、おそらく質問者は泣いていたんじゃないかと思うんです。ちょっと声を詰まらせたような、そんな感じを受けましたけれども、私は非常に感動しました。田岡さんは、さすがにベテランのカウンセラーだけあって、質問の趣旨をすぐに感知して、要するに愛情貯金をふやしなさいというか、そういう言い方をされていたので、これは恐らくこういうふうな悩みを持っている人にとっては大変参考になったと思います。全体的に流れが、今回はV6の人でしたから、芸能的なものが流れていく中にぽつんと、こういうちょっとシビアなというか、真剣な話題がポンと入り込んできたというのも、逆に番組全体を締めていたのかなと思えなくもなかったということですね。

★ 5337回というのは物凄いことだと思いますけれども、練りに練り上げられてだんだん番組ができてきたというので現在の番組構成があると思います。ですから、これからどうすればいいかという注文よりも、むしろもっと長く、末永く続けてやっていただきたいと思います。

★ それから、田岡さんの件、やっぱり年なんでしょうね。私も、意外とこれ感激したんです。彼女も泣いているような雰囲気だったし、やっぱり言わせるということが重要で、彼女が言って、それに対して、「よかったよかった、しっかりふたをあける」なんていう、なるほど、そういったものなのかというような話で、「愛情貯金がまだ足りない」とかいろいろ言っていましたけれども、よかったんじゃないかなと思います。

★ 大沢さんがCMの内容に直接かかわりを持っている点についてはリスナーに不快はないとはいいながら、やっぱり何となく気になります。いいのか悪いのかは別として、そこのやり方はルールを設定する必要があるんじゃないかなという気がしました。

★ 今の点について、私もちょっと言おうと思ったのは、別の人がコマーシャルの所だけをやるという方法もあるんでしょうが、全体の流れがプツっと切れちゃうような気がするんです。大沢さんの番組ですよね。その中で流れをずっと考えてくると、確かにコマーシャルと実際の番組をやっている人が同じだというのは違和感はなくはないんですが、番組をスムーズに、余り違和感なく続けるにはあの方法の方がいいのかなと僕は思いました。それはいろいろ意見があると思いますけれども。

(TBSラジオ番組審議会事務局)