過去の議事録

2004年6月28日(月)開催 第23回TBSラジオ&コミュニケーションズ番組審議会より
「ザ・ベースボール」6月18日(金)〜6月20日(日)17時50分〜試合終了まで生放送

出席者(敬称略)

委員長吉越浩一郎 
副委員長山野 勝 
委員萩原健太 二宮清純 田中里沙 中村克代
(宮台委員欠席)

局側出席者

 清水 社長

 大沢 取締役

 入江 編成局長

 碧海 スポーツ担当部長

 千葉 番組審議会事務局長

 藤田 プロデューサー

番組内容について

プロ野球中継番組「ザ・ベースボール」は、“実況重視”“情報重視”を制作姿勢の軸として放送しています。“実況重視”では、正確な実況と的確な解説を特色とし、「3球聴けば試合がわかる」は番組をどこから聴いてもすぐに試合状況がわかるをモットーとしています。“情報重視”では、他球場の試合経過はより迅速に、より積極的に実況中継内に、時にはその実況音声を挿入する手法も活用しています。

議事の概要(主な意見)

◇松下アナと田渕氏の解説でしたが、野球は他のスポーツと違って娯楽性が強いので、この日のお二人は淡々とアナウンスするだけでなく、ちょっと面白い言葉を入れてみたり、なんちゃってボールみたいなことを言って、すごく面白いなと思いました。基本的にスポーツ中継は公平でなければと思うのですが、TBSラジオを聴いてると一つの球団だけを応援するのではなくて、公平なアナウンスや解説で、とてもいいなと思いました。

◇松下アナと田渕氏というアナと解説の両エースと言っていいコンビが作るでき上がった空間だと思います。でき上がった空間の良さは安心感や二人のリズムがリスナーとのいい関係を構築出来ていることです。ただちょっとした落とし穴が二つあると思います。一つは最近、野球ファンも耳が肥えていますからアナウンスや解説内容で確認事項とか押さえるべきコメントは省かないということです。もう一つは、野球用語の乱れが最近非常に多いと思います。例えば「クローザー」と「ストッパー」の使い方が非常に曖昧だと思います。局によって統一の約束事を決めた方がリスナーも聞きやすいと思います。

◇ラジオの野球放送は野球をわかっている人、言葉を聞いてその光景を頭の中で描ける人に向けて放送していると考えてみるとTBSラジオのような非常にストレートに何が起こっているのかをそのまま伝えるのが基本になっている放送はとてもいいと思います。アナウンサーには単純にファンの視点みたいなものを担って欲しいと思う面もあります、解説者は元プロ野球選手ですから。

◇「ザ・ベースボール」を三日間連続で聞いてみると、やっぱり解説者もアナウンサーもとても聞きやすい番組だなと思いました。若いアナウンサーもにぎやかしいのですが、そんなに邪魔にはならず心地いいなと思いました。選手や監督の肉声は温かみが出ますので、すごくいいなと思いました。野球ファンとしては、車の中でラジオだけを聴いてイマジネーションを働かせて、その試合を楽しむという場面がありましたが、最近車の中はカーナビやテレビを見るケースが増えてきていますのでなんとか復活して欲しいと思いました。

◇林アナの放送は非常にわかりやすくて、声の質も大変良くて歯切れもいい。非常に冷静にというか、あまり絶叫調でない実況が判りやすくて好感が持てました。野球シーズンはどの局も野球中継ですが、一社ぐらいは他の番組を放送する勇気があってもいいのかなと実は思っています。野球に勝るソフトがないと言われますが、意外にそういう番組がウケるのではないでしょうか。

◇松下アナと田渕氏の話は、確かにすばらしいレベルで話をしていることをひしひしと感じました。いろいろな場面で「なるほどな」ということが多々あり、非常におもしろく感じました。日本のプロ野球を盛り上げていこうというためにはまだ仕掛けが二つ、三つあってもいいんじゃないか、それを聞くと野球がもっと面白くなる仕掛けが必要だと思いました。

◇今、プロ野球は相撲化していると思います。相撲を若い人はほとんど見ないというのは「言葉」を説明してこなかったことにも原因があると思います。野球も実はわかっていない若い人が多いという現在、「相撲一口メモ」のような「野球一口メモ」はラジオでできることと思います。

(TBSラジオ番組審議会事務局)