過去の議事録
2002年4月22日(月)開催 第1回TBSラジオ&コミュニケーションズ番組審議会より
ラジオ番組『アクセス』 4月16日(火)22時〜23時40分
出席者(敬称略)
委員長 | 吉越浩一郎 |
副委員長 | 山野 勝 |
委員 | ヨーコ・ゼッターランド 二宮清純 萩原健太 宮台真司 京谷美樹 |
局側出席者
清水 社長
小桜 取締役
斎藤 編成局長
水口 制作センター長
山口 番組審議会事務局長
相島 前番組審議会事務局長
村澤 プロデューサー
番組内容について
日本で初めて実現した聴取者参加型の本格的トークラジオ。「世の中の動きに敏感な人=自称・オトナ」に向けて発信、熱い支持をうけています。98年の番組開始以来のべ20万人以上が電話やFAX、インターネットで番組に参加しています。
議事の概要(主な意見)
(1)番組「アクセス」について
◇うまくインタラクティブが出来ていたのではないか。自分も参加できる場所があるということでは非常にいいなと思って聴いていました。
◇放送時間がディープナイトですから、ある意味であえて裏番組を聴いたりTVを見ないでこの番組を聴いているという時点でかなりフォーカシングしているわけですよね。その上でさらにコンセントレートして聴くわけなので、聴取者の数がたとえ多くなくともかなりディープな影響力を与える可能性がある。その意味で非常に意義がある番組だと思います。ただ、その日に起こった問題でない話題を扱うときには、事前に制作者側の方で落ちる論点がないようにブリーフィングなりをしておいた方がいいかもしれないと思いました。
◇小島さん(慶子)とかが割とトークパーソナリティの方によってご本人のアプローチのニュアンスが違っていたりするようなことも感じるのですけれども、そういうことも含めて人選が最終的に大きい。それによって大体の結論が見えてしまうところがあるかなと。きょうはこの話題でこの人の日だなとなると、「こんな感じかな」というのが多少見えてしまうところがあるというのが…基本的にすごく良く出来た番組だと思うので、ちょっとした不満なんですけども。
◇一番いいのは音楽。最初のBGMはドキドキしますね。血圧が高くならない程度に心拍数を上げているような…あれウマイなぁと思った。
◇「有事法制」という大切な話題だったと思うんですけど、もうちょっと噛み砕いてわかりやすく教えていただいてからテーマに入っていただければありがたかったかなと聴いていました。
◇ひとつだけ文句を言うと、バトルトークに入るまでの時間がちょっと長すぎるように感じました。40分くらいかかってるんですけど、もどかしい感じがしました。
(2)いわゆるメディア規制三法案について
◇一番危ないのは利用目的の制限だと思うんです。これはニュースソースを明らかにしろということですよね。私たちって「どこで話を聞いた」とかいうのはそれが信頼関係のもとで明かせないから情報も入るわけだし、記事になるわけです。利用目的を全部明確にしろといったら、これは「取材するな」ということですよね。
◇例えばジャーナリスト側が「こういう危惧があるじゃないか」と主張すると法律を制定している側は「いや、そんなことはないんだ」「それはそういう解釈じゃないんだ」ということを言いますよね。だったら条文化しろという風な要求はできないんですかね?
◇今、政治家のスキャンダルラッシュですよね。スキャンダルラッシュと非常に重要な法律、本当だったらこれをめぐって全てのマスコミが集中して報道すべき重要な法律が一挙に通ろうとしているということ自体がとてつもない問題なんです。マスコミの紙面の多くが政治家スキャンダルに覆われているときにこの法律を通そうというのは、はっきり言えば政治倫理にもとります。
◇個人情報保護法も青少年有害社会環境対策基本法も、あるいは人権擁護法も名称だけ見るといかにもよさげじゃないですか。でも、統治権力が「こう呼んでくれ」と言う通りにメディアが呼ぶかどうかは選択肢の問題であって、これを例えば「メディア規制三法」と絶えず言いつづけることは意味があるんです。法律を知らない議員さんから「そうすると不偏・不党の精神、放送法に反するじゃないか」というふうに出てくるんだけれども、放送法の不偏・不党というのは特定政党の政治的圧力から自由であるということです。
(TBSラジオ番組審議会事務局)