第23回JNN共同制作番組『三陸発！世界三大漁場を行く』

みどころ

海と向き合う。海に生きる。
様々な苦難を乗り越え、ふるさとの海に生きる、
世界の漁師たちの思いが共鳴する。

　ノルウェー沖、カナダ・ニューファンドランド島沖、そして日本の三陸沖。この3か所は「世界三大漁場」と呼ばれている。世界の数ある漁場の中でもとくに漁獲量が多い、優れた漁場を指す。
　大自然と人の営みで作り上げた豊穣の海。しかし海は時として大切なものを奪い去る･･･。それぞれの海で刻まれた苦難の歴史。それでも、その土地に生きる人々は、ふるさとの海とともに生きることに喜びを見出している。
　三陸の海が広がる岩手県陸前高田市で生まれ育った俳優・村上弘明が、誇り高き世界のフィッシャーマンたちに会いに行く、その模様を追った。

あらすじ・内容

　大陸棚が広がり、黒潮（暖流）と親潮（寒流）が出合って潮目ができ、大量のプランクトンが発生して魚群が集まる。ここは世界屈指の漁場のひとつ「三陸沖」。「アイスランド・イギリス・ノルウェー沖合の北東大西洋漁場、アメリカ・カナダ東岸海域の北西大西洋漁場と並ぶ“世界三大漁場”である」と、習ったことのある人も多いはずだ。
　今回ナビゲーター兼ナレーターを務める俳優・村上弘明にとって、三陸は“故郷の海”。父も漁師だった。
　故郷の人たちは、あのとき学んだ世界の海に生きる人たちは、今どんな思いで海と向き合っているのだろう？ ―― そんな思いを抱きながら、村上はノルウェーと三陸海岸最大の半島である岩手県宮古市の重茂(おもえ)半島を訪ねた。
　　　
　ノルウェーでは、200年続く漁師一家と出会う。最新の船、サーモン養殖の生簀(いけす)、そして加工場。最先端のハイテク漁業に村上は驚きを隠せない。しかし、この国の漁業、そしてこの一家に苦難の歴史があったことを聞く。今でこそ水産大国のノルウェーだが、海底油田の発見をきっかけに乱獲が始まり、魚が獲れない事態に直面したことがあったのだ。国は漁船の数を大幅に減らし、さらに漁獲枠を設け、乱獲を防いだ。そんななか、一家は漁師であることを守り続けたのだ。
　また、震災1年後の岩手では、中村良成さんと出会った。中村さんはコンブを養殖し、ウニを獲り、定置船で魚を追う、いわば三陸の“オールラウンダー”漁師。小さいころから父に憧れ、漁師になった中村さんは、震災後、思いを新たに海と向き合う。
　また、岩手県内唯一の水産高校を卒業したばかりの山本勇喜さんとの出会いもあった。山本さんは、卒業生の中でただ一人地元で漁師の道を選び、仮設住宅で暮らしながら仕事と格闘中。定置船に同乗し、仮設の番屋で漁師たちと朝食をともにする村上。今は現役を退いている父が漁師だった頃の、遠い日の記憶がよみがえる――。
　　　
　さらにスタッフは、カナダ・ニューファンドランド島沖でも取材を敢行。タラの乱獲がたたり1992年、漁場閉鎖に追い込まれた歴史のある土地だ。出稼ぎを余儀なくされながらも、漁業を諦めない人たちの姿を追った。息子を出稼ぎに送り出した父は、三陸の漁師に思いを馳せる。そして、アイルランド移民が多いこの村に、昔から伝わる漁師の歌が響いた。
　「ここには金鉱はないがタラがいる　こういう暮らしが最高だ船で食べる魚とパン　これこそ私が求めた人生だ――――」
　ふるさとの海に生きる、世界の漁師たち。村上の旅を通して、彼らが受け継いできた、熱い思いを感じてほしい。

ひとこと

＜ナビゲーター／ナレーター・村上弘明＞
ノルウェーで感じたのは、「自然の中で自分は育まれている」という意識が人々に浸透しているということ。国を越え、海を越えても、漁師の思いは同じだということ。向こうでは漁業は人気の職業で、漁師を目指す若者が大勢いるそうです。この番組が、三陸の漁業の復興、日本の漁業の未来を考えるきっかけになればと願っています。

出演者

ナビゲーター／ナレーター：村上弘明

スタッフ

製作著作：
JNNネットワーク協議会

制作：
IBC岩手放送

プロデューサー：
髙徳文人（TBS）
中村好子（IBC）

ディレクター：
千葉佳史（IBC）

第23回JNN共同制作番組 『三陸発！世界三大漁場を行く』

コンテンツメニュー

みどころ

あらすじ・内容

ひとこと

出演者

スタッフ

第23回JNN共同制作番組『三陸発！世界三大漁場を行く』