<武田鉄矢さんからのコメント>

「普通のドラマを作りませんか、ゴチャゴチャ火が出たり水が出たりの事件のドラマじぁなくて、普通の普通のドラマです。何も起きないことが起きる、"ただごと"のドラマです。」とお誘いを受けたのは昨年の春頃のことでした。私というタレントを土からこねあげて目鼻をつけ土偶から人の形に仕立てて下さった先輩からのお誘いでした。
一言一言重く響きました。事件が起きなければ物語が進まないドラマが今の主流です。それに比べて難度高きドラマ作りになると思いますが、だからこそ挑む気になりました。今ボンヤリと"ただごと"の夫婦をイメージしています。誰の句か忘れましたがこんな句がありました。
「秋灯や夫婦互いに無のごとし」
秋の夜長の灯の下、一組の夫婦が語り合うこともなく、そこに座っている。ただそれだけの情景ですが味わい深い句です。「今夜は静かでいいねぇ」なんて幸せの言葉を呟くことを忘れてました。そんなドラマ、作ってみたいですねぇ。
<高畑淳子さんからのコメント>

12年前、『金八先生』に養護の先生役で参加させて頂くことになった時、「もしかしたら金八先生の再婚相手になるかも知れません」と言われました。その時から私の中では、金八先生イコール武田鉄矢さんへの恋心という卵が産み落とされたのですが、なかなかその卵は羽化する気配もなく、桜中学には次から次へと大問題が起こり、再婚話も忘れかけておりましたところ、この度『夫婦道』で武田さんと夫婦役をやらせて頂くことと相成りました。
娘三人、恥かきっ子息子一人、計四人の子を持つお茶屋の夫婦だそうです。ケンカもしますが仲直りにはお父さんの入れる特別なお茶を飲み、一日の始まりもお父さんの入れたお茶を家族揃って飲むという儀式を律儀に守り続けているという家族です。
夫婦が恋心だけで続くはずはありません。『夫婦道』……何とも響きの良い題名です。武田さんの大きな懐をお借りして、夫婦、家族……今、日本が一番行き詰まっている問題を考えながらドラマ作りを楽しみたいと思っております。
<柳井満プロデューサーからのコメント>
「夫婦」って何だろう……。これに明快に答えられる人は多分いないでしょう。人間が作ったこの不思議な制度を、武田鉄矢、高畑淳子が演ずる架空の夫婦を通じて考えてみようというのがこのドラマです。
だからタイトルは「夫婦道(ふうふどう)」です。今、離婚を考えている人がいたら、このドラマを見てからにして下さい。もしかしたら考えが変わるかも知れないから…。