|
ひとつの役柄をずっと演じていくというのは、楽な面も大変な面も両方あると思うんです。もう出演者が家族みたいになっていますでしょ。だから、お初にお目にかかります、という緊張感みたいなものはありませんけど、去年と同じお芝居をダラッとやってしまう怖さはあります。あくまでも新しい作品だと思って、芝居への緊張感はなくさないように気を付けています。その辺の身の処し方が大変なんですね。
私は、方言は大好きなんですけど、その中で一番弱いのが大阪弁なんです。橋田先生のお書きになる長ゼリフというのも、体でつかんでしまえば面白いんでしょうけど、そこに大阪弁がプラスされると…。大阪弁という音符から入っていかなければならないから、その音符とセリフを一体化させる作業が必要になるんです。上手くいけば嬉しくてしょうがないけど、上手くいかない時は凄く自己嫌悪を感じてしまうんです。
ドラマを見てくれるお客さんの中には、それぞれの登場人物が入り込んでいる方もいらっしゃるんですよね。見知らぬ人がバーッと私のところまで走ってきて、「ウチの母もあなたと同じ病気なんです。母もドラマを見ながら『私の病気も頑張れば良くなるんだ』と、毎週楽しみにしています」なんておっしゃる方もいて…。ただ、その方は、「でも、よくそこまで良くなられましたね」なんておっしゃるんですよね。そこで「いいえ、役でございます」と言うとしらけちゃうから、「ありがとうございます」と言って別れたんですけどね(笑)。放送がない時に「どうして放送しないんですか!」と怒られたこともあるんです。面白い現象ですよねぇ。
いまドラマは、世代交代の時期になって、子どもや孫達が大きくなって、いろいろな問題に直面していくようになっていますよね。その時に親や祖父母達の世代がどう対応していくのか、という部分においては、教育ドラマであり、反面教師ドラマでもあると思うんです。そういう部分も楽しんでいただければ嬉しいですね。
|