コンテンツへジャンプ

ここからコンテンツです

2009年5月23日(土)よる7時56分スタート(初回100分SP)

インタビュー

Vol.10 トータス松本 (難波丈太郎 役)

難波は相当なくせものですが、演じてみていかがでしたか?

エリート、研究者、DNA…。あの、「 難波丈太郎 」 って僕の中にまったく要素がない人物なんです。だから、本当に最初の頃は、演じることだけでいっぱいいっぱいでした。でも、不思議なものでねぇ。あれだけ機材の揃ったセットの中でお芝居をしていたら、まるで自分がエリートのような気がしてくるんですよ。
研究者の役を演じてみて、「 いかに自分が普段いい加減にモノを言ってるか 」 がよくわかりました (笑)。

役づくりにおいて、監督とはどんなお話をされたのでしょうか?

「 セリフは低いトーンで早口で喋ってくれ 」 と言われたので、それは心がけていましたね。実際にはそういう方もたくさんいらっしゃるだろうから大変失礼な話なんですけれど、正直台本に目を通したとき DNA を扱う 『 生物学 』 と 『 関西人 』 っていうのが、自分の中ではなかなか結びつかなかったんです。難波は役柄的にもスッとしているし、どうも関西弁を喋るような人物には思えなくて…。それで、監督に 「 僕は関西弁しかしゃべれないんですけど、どうしましょう 」 と相談したら、「 大丈夫、難波は “関西の大学を出たエリート” って感じの設定だから全然問題ない 」 って言ってくださったので、ちょっと無理やりですが “関西弁が抜けてない感じ” の口調で演じました (笑)。

演じる上で、気をつけた点はありますか?

やっぱりこう “関西弁の緊張感のなさ” みたいなものが出ないように、とは思いました。ニュアンスひとつにしても、「 アカンやろ (関西弁)」 というのと 「 ダメだろ (標準語)」 じゃ、ぜんぜん緊張の度合いが違いますからね。でも、自分は生理的に 「 ダメだろ 」 とは言えないわけですよ (苦笑)。だから、そこがすごく難しかった!「 アカンやろ 」 って言いながら、どうやって緊張感を出すかみたいなことを悩んだりもしました。

木村さんとの初共演は、いかがだったでしょうか?

僕はメインで音楽をやっていて、たまにこういうところでお芝居させていただくんですけれど、まさか木村拓哉くんと共演することになろうとは思っていなかったので、お話をいただいたときはビックリしました。いやー、なんだか変な感覚でしたよ。難波ってヤツは、あの木村拓哉 (九十九) に向かって顔をすんごい近づけてガン飛ばしたり、ちょっと怒ってみたりするわけですよ (笑)。
なんだか普段の生活ではありえない感じが、すごく楽しかったです。

ご一緒のシーンも多かった、大内役の山崎樹範さんについてもお聞かせください。

山崎くんは、ことばのアイディアとかチョイスが面白い人でした。控え室では一緒にカレーを食べながら、仕事のこと、プライベートのこと…。いろんなお話をさせていただきましたね。
僕の作った曲をほめてくれたりもして、嬉しかったです。

アドリブも多い現場でしたが、トータスさんもアドリブを楽しまれたのですか?

台本にないセリフや動きが現場でどんどん増えていくのは、単純に楽しかったですね。でも僕の場合、「 ここでアドリブを入れてやろう 」 と思うとなかなか上手くいかないんですよ。だから、“もし自分がこんな状況下におったらどうするんやろう” とか気持ちをそこに持っていって 「 あ、これ自然で面白いな 」 というアイディアが浮かんだらちょっと取り入れてみるという感じでしたね。
アドリブって、楽器の演奏とすごい似てるんですよ。難しく考えずにやってみて、面白いフレーズが浮かんだらそれをマネしてみる。自分から出たものを自分で真似していくっていう感じが、なんとなーく似ているというか…。出たとこ勝負でしかできひんから、面白いよね (笑)。

右脳と左脳のエピソードも登場しましたが、ご自身はどちら派でしょうか?

うーん、どっちやろうなぁ。世間からはあんまり論理立てて考えるようなタイプだと思われてはいないと思うんですけど、もともと気が小っさいところがあるので、わりと緻密に物事を考えたいタイプですね (笑)。『 アーティスト 』 って直感で動くイメージがあると思うんですけれど、僕はあんまり感覚でガーっと行けないほう。僕もつねづね直感的な人間でありたいと思ってはいるんだけど、意外と考えながら物事を進めるほうなので、どっちかっていうと左脳派人間やと思うなぁ。
お芝居も、できるだけ感覚でやろうと心がけてはいるんですけどね。

では最後に、『 MR.BRAIN 』 という作品に参加して 「 よかったこと 」 や 「 得たもの 」、「 学んだこと 」 などを教えてください。

よかったことは、数々のすばらしい出演者のみなさんと一緒に仕事をできたこと。得たものは、教養とかケータイのメモリかな (笑)。新しい役柄にドキドキしましたし、演技のおもしろさを再確認する、いい機会やったと思います。
最後まで応援してくださったみなさん、どうもありがとうございました。

(photo)