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ヘンリク・ステンソン(30)
いま世界でも最もホットで急成長のスウェーデン選手。30才はタイガー・ウッズの31才とほとんど変らない年令だが、世界的の舞台に名乗りでてきたのは、この2年ほどだ。1999年にプロ入り、2001年ヨーロピアン・ツアーでもビッグ・イベントに数えられている5月の ベンソン&ヘッジスに優勝して注目されるようになった。軽く300ヤード以上を飛ばすスケールの持ち主は、そのあとドライビング・イップスに陥った。イップスと聞けばパットが普通なのにドライビング・イップスというのはロングヒッターでもごくまれな症状だろう。バックスイングを取れなくなってしまったのだ。 7月、アイルランドのKクラブで行なわれたヨーロピアン・オープンは初日9ホールでドライバー・ショットを7回もロストボールして、「これ以上みんなに迷惑をかけられない」と棄権したほどの重症だった。英国人コーチのピーター・コウエン、スウェーデン人スポーツ心理学者、 トルステン・ハンソンについて心技両面から立ち直りに取り組んだがコウエンが「もっとも難しい生徒だった」というようにカムバックの道のりは長かった。 下部組織のチャレンジ・ツアーで苦労しなが徐々に上昇線をたどり、2005年9月WGCアメリカン・エキスプレス選手権(サンフランシスコ、ハーディングパーク)で 3位に入った。このときはタイガー・ウッズ対ジョン・デイリーのスーパープレーオフ(ウッズ優勝)にばかりスポットライトが集中したので、最終日68であがってきた ステンソンはほとんど注目されなかったが、2006年2月カタールマスターズ、9月BMWインターナショナルとヨーロピアン・ツアーで2勝をあげて賞金ランキング6位に躍進。 2007年はさらにジャンプは続く。2月、ドバイ・デザート・クラシックは最終ホールをバーディーで締めくくりアーニー・エルスに1打差、ウッズに2打差をつけて快勝。 さらに2月末、WGCアクセンチュア・マッチプレー(アリゾナ州ツーソン郊外、ザギャラリー)は決勝で去年の全米オープン勝者ジェフ・オギルビーをくだして優勝。 2005年初めには140位台だった世界ランキングもまたたく間に5位まであがってきた。
ステンソンはまだメジャーでのトップ10フィニッシュはなく。昨年初出場のマスターズは3打差予選落ち。
しかしこの2年間ビッグトーナメントでの実績はあなどれない。3月中旬時点でヨーロピアンツアー賞金の1位を走っている30才は 確実の優勝候補の一人である。「優勝?とんでもない。ことしはトップ10に入れば十分だ」と控え目な目標設定は逆に不気味でもある。
岩田禎夫 プロフィール:
1933年生まれ
湘南高校、上智大学卒
報知新聞記者を経てフリーになる。TBSゴルフ解説者、マスターズはVTR放送時代の1972年、衛星中継は1976年から解説。
米国ゴルフ記者協会会員、PGAツアー、USGA,LPGA各メディア・メンバー、
2006年ジャック・ニクラスよりメモリアル・ゴルフジャーナリズム賞受賞、世界ゴルフ殿堂選考投票委員。