大江淳平/眞島秀和

最強のS患者。直木賞作家。著作が何度も映画化されるなど、一時はベストセラー作家の名をほしいままにしたが、もう2年以上新作を出していない。代表作は 「25時のメス」。執筆の際に医療業界を取材し、なまじっか知識があるものだから、医者やナースから見れば、扱いづらい我が儘患者である。周囲にあたり散らし、ナースに雑用を押し付けるため嫌われている。そんな大江の唯一の支えは、どんなに我が儘を言おうと、変わらぬ笑顔で接してくれる師長・心。どんなにおいしい食事や、清潔で快適な個室やサービスよりも、心と静かに話す時間が、大江にとってなにより贅沢で幸せな時間である。