選ばれし素敵な訳たち
優秀作品
訳者の皆さんの作品
「第11章」講評
第11章「王子,うねぼれやと出会う」です.37件の応募がありました.前回の王様の章と比べると短くて,その分ちょっと楽だったかもしれません.この vaniteur の性格をどうとらえるのか,これは王様の場合以上に訳者の想像力を自由にはばたかせたようです.専攻委員会の私たちも楽しく読むことができました.
まずなんといっても,独創性できわだっていたのは,「みみずくさん」の訳ですね.ちょっと紹介しましょう.「やぁ! やぁ! ファンのお出ましね!」「帽子は挨拶するためなのよ」「私を喜ばせてよ.それでも私を誉めてちょうだい」.なんとオカマキャラです.選考委員の一人は思わず「素晴らしいいいいいい☆」と叫んでしまいました.これには絶対賞をあげなくては...でも,いったい何の賞をあげたらいいのでしょう.これはもう新しい賞を作り出すしかないようです.こんなのはどうでしょうか.ヘビ賞(あっとおどろくユニークな訳)です.
「はつよ」さんの訳も,これに劣らず個性的です.これはオカマキャラともちょっと違うみたいですが...マンガキャラなのでしょうか.これも紹介しましょう.「なのに誰もここを通らないの.僕ちゃん,ふしあわせ」「僕ちゃんをよろこばせてよぅ」.なかなかに芸が細かいですね.
ほかには「oomot さん」の訳が,独特の vaniteur 像を描き出して優れた作品に仕上がっています.「これは,ごあいさつのため.みなさまから声援をもらったときのごあいさつのためでね.しかし,こまったものさ,だれもこのあたりを通らなくてさ」.文章のリズムもいいですね.
さて,今回の優秀作品ですが,応募総数が前回の王様より7編多かったので,優秀作品も前回より2編多い10編を選びました.
「ヒメさん」「vendredi 13 さん」「こみちさん」「oomot さん」「ナオさん」「にっこりさん」「ラ・パンセさん」「みみずくさん」「砂漠の三毛猫さん」「Nさん」
今回はみなさんそれぞれに腕を振るって個性的な訳がそろいました.その中では,「N さん」の訳が,てらいもなく,小細工もなく,すっきり簡潔に仕上がっていて,選考委員会でも「すばらしい,文句なし」という声があがりました.うーん,このあたり好みの問題もあるでしょうが,あれこれ手を加えた訳のなかでは,逆にこのシンプルな訳文が新鮮に見えてくることも事実です.というわけで,パイロット賞は「N さん」に.
パイロット賞 「N さん」
