選ばれし素敵な訳たち
「第10章」講評
第10章は「王子さま,王様と出会う」です.応募総数は30件.長い章でしたが,応募訳のレベルは高く,選考委員会でも「判断がむずかしい」という意見が大半を占めました.
王様のセリフを,みなさんそれぞれ工夫されていました.現代風の王様であったり,ちょっと古めかしい時代物の王様であったり,童話の中の王様であったり,日本の将軍みたいな口調の王様であったり...結局はこの『星の王子さま』という作品をどうとらえるのかという全体の問題とも絡んでくるので,むずかしいところですね.
まず,王様が登場する章なのですから,王様賞(堂々とした風格ある訳)から行きましょうか.候補としては,「あぱさん」「プティムートンさん」「こみちさん」があげられます.このうち「あぱさん」は,堂々とした訳というだけなく,丁寧な訳文を作っておられ,文章の簡潔なリズムも心地よいものです.これは,むしろパイロット賞(優れた語り手としての訳)の候補ではないかと思われます.残るは二つですが,今回は王様賞を二つ出すことにしましょう.手慣れた読みやすい文章で王様の風格を感じさせる「こみちさん」,そしてちょっと硬派の文章できっちりとした訳文をつくっておられる「プティムートンさん」,この二人の方に王様賞をさしあげます.
ということで,各賞のほうが先に決まってしまいました.
パイロット賞 「あばさん」
王様賞 「こみちさん」「プティムートンさん」
(「こみちさん」は「まえがき」に続いて2度目の王様賞受賞です)
さて,優秀賞ですが,はじめにも書いたように,今回もまた微妙なところで合否のラインを引かなくてはならず,判断はなかなか難しかったのですが,次の8名の方を選びました.
「あぱさん」「rucina さん」「こみちさん」「くりしぇさん」「にっこりさん」「砂漠の三毛猫さん」「みみずくさん」「はつよさん」
