選ばれし素敵な訳たち

「第7章」講評

第7章は長い章なので,選考委員会のメンバーも読むのがたいへんでした。でも,これからもっともっと長い章もあるので,これぐらいで音を上げていてはいけまんせん。それに,応募作はどれもこれもレベルが高く,読み応えのあるものでした。選考委員の一人は「王子さまのバラへの愛情を感じる章で個人的にとっても好きな箇所です」と言っています。みなさんはどうでしょうか?
応募作の傾向としては,初めの頃には童話調の旧訳タイプの作品が多く見られましたが,次第に大人向けの新訳タイプが増えてきたように感じられます。これも『星の王子さま』という作品受容の新しい傾向を反映しているのでしょうか?
また応募作を読んでいると,思わず膝を打って,うなりたくなる文章に出会うことがあります。今回は,常連の一人である「Miho さん」の次の文章がとても印象に残りました。 
 「トゲはなんの役にも立ちやしないよ。トゲトゲしている花にはトゲができるんだよ」
ここは,原文でサン=テグジュペリが言葉遊びをしている箇所ではありませんが,それでもこの日本語訳はとても洒落ていてセンスの良さを感じさせます。人間も花と同じで,トゲトゲしているとしまいにはトゲができるのかなあ,とも思ってしまいます。(だからトゲトゲしないように気をつけなさい,ということなのでしょう)
 ということで今回は,まず「キツネ賞(工夫された味わいある訳)」を「Miho さん」に差し上げることにしましょう。
 そして,優秀作品としては,次の8件を選びました。

 「Miho さん」「あぱさん」「TKさん」「にっこりさん」「pito さん」「こみちさん」「ShinFish さん」「ぐんぐさん」

 さて,最優秀作品ですが,常連の一人である「こみちさん」の訳が今回は一段と流麗な訳文に仕上がっていましたので,パイロット賞(優れた語り手としての訳)」を差し上げることにします。

 パイロット賞 「こみちさん」
 キツネ賞   「Miho さん」

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