時は19世紀半ば。山と森に囲まれたヨーロッパのとある村に、コッペリウスという風変わりで偏屈な老人が住んでいる。実はこのコッペリウスは、理想の女性を模った機械人形を作ることに執念を燃やす奇怪な男。村の人気者スワニルダを見かけては、その美しさを自分の人形に取り入れようとスケッチしたり、採寸しようとする。
一方、スワニルダの恋人フランツは、近頃コッペリウスの家のバルコニーで本を読んでいる美しい娘コッペリアが気になって仕方がない。バルコニーの下から娘に愛想を振りまくと、反応を返したのでフランツは大喜び。それを見たスワニルダはやきもちを焼き、フランツは慌てて機嫌を取ろうとする。日が暮れて、コッペリウスが道端に落としていった家の鍵を見つけたスワニルダと友人たちは、いたずら心からコッペリウスの留守宅に侵入していく。そしてフランツもまた、コッペリアと話してみたいと、梯子を手にひとりバルコニーを昇り始める。謎のコッペリウス宅で彼らを待ち受けていたものは──!?