舞台はドイツの農村。美しい村娘ジゼルには、ロイスという恋人がいる。実は侯爵でその名をアルブレヒトというが、身分を隠して村人になりますしている。そうとは知らないジゼルはロイスの愛を純粋に信じ、恋人と共に過ごすその姿は幸せにあふれている。一方、ジゼルに思いを寄せる森番のヒラリオンは、ロイスの存在に疑念を抱き、ジゼルとの仲を裂こうと間に割って入る。しかし、どこか威厳に満ちたロイスの態度を前に悔しげに引き下がるしかない。
葡萄収穫祭の女王に選ばれたジゼルは、ロイスと共に村人たちの踊りの輪に加わる。母親は心臓の弱いジゼルを心配して踊りをやめるようたしなめると、「踊り続けると命を落としてウィリになってしまうと」と、結婚前に死んだ乙女たちの霊の伝説を語り始める。
そこにクーランド大公と娘のバチルドら狩りの一行がやって来る。バチルドは実はアルブレヒトの婚約者。うろたえて身を隠すロイス(アルブレヒト)の姿を目にしたヒラリオンは、彼の小屋に忍び入り、ついに貴族である確証をつかむ。その証拠を見せられ、恋人の裏切りを知ったジゼルは、深い絶望のあまり狂気に至り、ついに息絶える。哀しみに打ちひしがれるアルブレヒトは、ジゼルが眠る森へと向かう。そして──