きのこちゃん さん

ちょうど30年前の話になります。看護学校3年生の時。 寮生活でしたが、夜、コンビニにアイスを買いに行こうと近くを歩いているときに、路肩に斜めに駐車されているクルマがあり、様子が変だなと思い、中をのぞくと、運転席で男性がシートを倒して胸をおさえて、苦しそうな表情で、何か出そうとカバンを持っていました。顔色が悪いので、ただ事ではないと思い、ドアを開けようと思いましたが、鍵がかかっていたので、ドンドンとドアをたたくと、男性がなんとか力を振り絞ってドアを開けてくれました。3年生で、国家試験の勉強中で、循環器のことも勉強はしていましたので、もしかしたら心筋梗塞かもと思い、シートを平らにしたり、シャツのボタンを外したり、ベルトを緩めたりと一 生懸命に行動しながら意識レベルを確認するために大きな声で、お名前を聞いたりニトロなどの 緊急時の常備薬はないか聞いたところ、首にカプセルの入ったネックレスを見つけ、なんとか一錠舌下してもらいました。だんだん返答もか細くなってきて、私もドキドキがピークでした。 でも、全然苦しそうな様子は改善してされず、授業で習ったように、もう一錠舌下したところ、少しずつ声が出るようになり、お名前も聞け、聞くと私の実習先の病院に通院されていると言うので、救急車を呼び、搬送してもらいました。 その後、何ヶ月か経ち、私もあのあとあの方はどうなったのかなと思っていましたが、国家試験の勉強も忙しく、出来事を忘れていたある日、担任の先生から呼び出され、「この日対応したのは、あなたか」と聞かれ、「そうです」と答えたところ、あの方はやはり急性心筋梗塞で、なんとか一命を取り留め、退院するとのこと。「私を探していて、お礼を言っていた」と聞きました。今も看護師として働いていますが、この時のことを思い出すことがあります。あの時、かなり勇気がいったのですが、このまま死んでしまったらと怖かったのも事実です。 あの時頑張った自分を褒めてあげたいと思います!