ことば
Q. 何で本は「本」と言うのですか? (小3、女の子)
A. 永先生:「基本」って知っていますか? 何事も基本が大事の「基本」です。
女の子:う〜ん。
永先生:基本の「本」なんですよ。本の「本」は。きのう、無着先生と本願寺に行きまして、その本願の「本」です。
女の子:は〜。
永先生:ブック(book)の本。だから本を読まなくちゃいけないんですよってこと。
大橋先生:それともう1つ。今、永先生がブックって言ったけど、英語では本はブックって言います。
おねえさん:知ってる?
女の子:はい。
大橋先生:知っていますよね。本は、「何で本って言うの?」という質問をアメリカやイギリスの子どもが「先生、何でブックはブックって言うんですか?」と言ったときに、永先生のとは違う答えを言うと思います。
日本の漢字は中国から来た言葉で、その字自体に意味があります。ところが英語、フランス語などアルファベットで横に並んでいる言葉は音で表現しているんですよ。
おねえさん:この「B」、「O」、「O」、「K」の1つずつには意味がないんですか?
大橋先生:意味がないんです。例えば、ブックのBもブラック(black)のBも同じBだけど、本と黒いは関係ないですよね?
女の子:はい。
大橋先生:つまり、「本は何で『本』なんですか?」という質問は、日本語、中国語で成り立つことで、例えばスペイン語では本のことを「リブロ」と言います。「リブロは何でリブロって言うんですか?」と言っても成り立たちません。もう少し大きくなると分かると思いますが、あなたの質問はとってもいい質問で、日本で使っている漢字の本質に迫るような質問ですが、世界では通用しない質問だから、その国その国で、全然違う言葉があるということも覚えておいた方がいいと思います。
無着先生:あなたの名前をつけたのは誰ですか?
女の子:お父さんと、お母さんです。
無着先生:そうですよね。だから本もそうやって名前をつけました。
女の子:あ〜、そういうことかあ。
無着先生:「本」っていう名前つけたのは「本当」だよ
一同:(笑)

泉福寺住職の無着成恭先生/放送タレントの永六輔先生/大橋巨泉 先生

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