どうしてそう思ったのかな?
こども:おやつをもらう時に、どっちの方が多いのかなと思って。
おもしろいことに気がついたねぇ。僕も長いこと生きてきたけど、そんなことは一度も考えたことなかったです。
もともとの言葉として考えると、両方とも「多い」という意味だよね。だけど、「いっぱい」っていうのは、ある入れ物の限界まで何かが入っている、という意味なの。「お腹がいっぱいだ」なんて言う使い方があるでしょ。だから、入れ物があるときには「いっぱい」の方が多いかもしれないよね。だってそれ以上入らないんだからね。
だけど、入れ物がないとき、たとえばおやつをもらうでしょ?おやつって、家の中ぜーんぶおやつにするわけにはいかないよね。そうすると、おやつなんかの時には「いっぱい」よりも「たくさん」のほうが多いのかもしれないね。
「両手いっぱい」のおやつってことは、両手に入るだけの量だけど、「たくさん」って言うと、その両手いっぱいよりも多くあるかも知れないでしょう。
だから、「いっぱい」と「たくさん」は、その時その時によって、どっちが多いかはちがうかもしれないけど、その場合に、どっちの方が自分にとって得なのかって考えて使い分けるのがいいと思うよ。それと、「いっぱい」っていうのは、何か前に言葉をくっつけて使うんじゃないかな。「トラックいっぱいのおやつ」なんていうふうにね。「たくさん」っていうのは前に言葉をつけないでしょ。だからきっと「たくさん」は「限りなく多い」っていう意味になるんだろうね。
そういうのをいろいろ考えてみると、日本語の達人になれるよ。
歌手・タケカワユキヒデ 先生
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