ことば
Q. 「三竦み(さんすくみ)」ということわざがあるけど本当にヘビはナメクジをこわがっているの? (小6・女)
A. まず、「三竦み(さんすくみ)」ということわざの意味ですけど、ヘビがナメクジをこわがり、ナメクジはカエルをこわがり、カエルがヘビをこわがる様子から「お互いに動きがとれなくなる」意味なんですね。
じゃあ、さっそくヘビについて考えてみよう。ヘビには小さなヘビもいるし大きなヘビもいる。そう考えると、大きなカエルだったら小さなヘビなんかやっつけちゃうよね。
ナメクジというのも本当は「ナメクジラ」っていう名前なんです。今は「ラ」がなくなったけど、昔は巨大なナメクジがいたんだね。でも、ナメクジがヘビを攻撃していたわけではないらしいし、本当にヘビがナメクジをこわがっているんでしょうか。それはね、たぶん大きなナメクジ、それこそ「ナメクジラ」って言われるようなわけの分からない大きなドサッとしたもの、つちのこみたいなものもふくめてみるとヘビだってこわがるかなっていう気がするんですよね。
それと、僕らの時代というのは、忍術(にんじゅつ)使い、つまり忍者が、何かの動物を化け物みたいに大きくするというものがありました。その巨大化した生物をあやつって敵を倒すなんてものもあったんです。
そうしたら、ヘビも大きなナメクジを見て「強そうな奴が来た!」とドキッとすることもあると思うんだよね。そして今度は大きいカエルが来たら、ナメクジがびっくりしちゃう。その繰り返しなんじゃないかな。
あとね、もしかしたら、ヘビ・ナメクジ・カエル、それぞれ気あまり持ちのいい生き物じゃないよね。だからお互いがお互いを見て、「気持ち悪い」ってすくんじゃったのかもしれないよね。

放送タレント・永 六輔 先生

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