ことば
Q. 「レッテルを貼る」というのは、誰が言った言葉なのですか? (小4・おんな)
A.

その言葉は誰から聞いたの?

こども:ことわざ辞典で見ました

そっか。どういう意味でしたか?

こども:その人やその人の能力を勝手に決めつけるってことです。

なるほど、その通りですね。この「レッテル」という言葉は、もともとラテン語なんです。
でも日本に入って来たときには、オランダ語として入ってきました。「蘭学(らんがく)」というのが入って来た頃なんですね。
それで「レッテル」というのは、英語で言う「letter(レター)」と同じなの。
わかるかな?オランダ語で「レッテル」と言うと、英語では「レター」と同じことなのね。
つまり「文字」とか「手紙」という意味です。だから、日本に入って来たときにはそういう意味しかなかったんですよ。
ところが、日本で独特に、ちがう意味として使うようになったの。日本では、何かに名前を付けるときに書いた札みたいなものを「レッテル」って言うでしょう?だから、例えば「これは麦茶ですよ」と言うために「麦茶」って書いた紙を貼り付けたとします。すると、その中身が麦茶じゃなくても、勝手に麦茶と決めつけることになるでしょ。
それで「レッテルを貼る」という言葉が「勝手にその人のことを決めつけてしまう」っていう意味の使われ方になっていったのね。
だから、誰が最初に言ったかはわからないけど、こうやって、むかし日本に入ってきた言葉は、本来の意味から変わって使われているものがいっぱいあります。こういうのを調べていくとおもしろいかもしれませんよ。

エッセイスト・神津 カンナ 先生

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