ことば
Q. 昔の「あいうえお」は「いろはにほへと」だったって聞いたのですが、どうして「いろはにほへと」が「あいうえお」になったんですか? (小6・おとこ)
A. 今、キミは「いろはにほへと」って言ったけど、実は、ある説では、「いろは・・・」じゃなくて、「色は匂えど、散りぬるを・・・」という言い方なんです。
つまり、それが「いろは」のもとになったという説なの。もっと言うと、「色は匂えど、散りぬるを、我が世誰ぞ、常ならむ」という言い方なんだけどね。
でも、ただ「いろは・・・」って見ると、文字が並んでいるだけに見えるでしょう?でも、これは本来は、ちゃんと意味のある「うた」なんですよ。
人が使っている言葉、例えば今、僕は「ことば」という言葉を使ったけれど、これは「こ」と「と」と「ば」を組み合わせたものでしょう?こういう風に、字を組みかえて、別の言葉に作り替える遊びがあるんですよ。
言葉遊びの中から、音をつなげて、意味のあるうたにするの。それで「色は匂えど…」が「いろはにほへと」になったんですね。
で、「あいうえお」っていうのは、キミは「母音(ぼいん)」「子音(しいん)」ってわかるかな?母音は、「あいうえお」のこと。で、今日の電話のお姉さんは広重(ひろしげ)さんだけど、「ひーい、ろーお、しーい、げーえ」となるので、母音は、い・お・い・え、になるの。もっとわかりやすくすると、キミはローマ字を知ってる?

こども:はい

ローマ字も、hとiを組み合わせて「hi(ひ)」という音をつくるでしょう?同じように、日本の音を、母音と子音の組み合わせで分けたものが、「あいうえお」っていうものなの。
「あいうえお」のほうは、ただそういう決まり事なんだけど、「いろは」の方には本当は、意味があるんです。意味のある「うた」なの。
で、こんなにすごいものを作るのはきっと立派な人に違いない、それはきっと弘法大師(こうぼうだいし)だ、ということで、これをつくったのは弘法大師という説になっているんですよ。

放送タレント・永 六輔 先生

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