ことば
Q. 昔の人は「〜ございます」とか、「〜ござる」とか、丁寧な言葉を使っていたのに、なんで今は使わないの? (小3・おとこ)
A. あのね、まず「おはようございます」っていうよね。
でも「こんにちはございます」とか「こんばんはございます」っていう?いわないよね。「おはよう」にだけ「ございます」がついていてもおかしくないよね。
実は、昔は全部についてたの。で、いま、きみが「〜ござる」っていったけど、あれも「〜ございまする」という言葉がつまって「〜ござる」になるのね。
時計がなかった昔の時代、ゆっくりお話しをしていた時代の、例えば「〜ですわよ」とか「そうではございませんわ」っていう言葉、お母さんも使うと思うけど。僕らがきいていると、原節子さんが笠智衆さんに答えるような言葉が、懐かしいんですけど(笑)そういう言葉って、いま聞けないよね。言葉がどんどん短くなってきてます。
でも、その中でもきみがいったような敬語っていうのは、大事にしていかなきゃいけないんだ。「おはよう」にだけ敬語がついてるってことは、朝は大事にしなきゃいけないんです。朝はいちばん大切なご挨拶だから「ございます」がついてるの。だから「おはようございます」って朝、いったらその日1日はちょっと敬語のことも考えてみましょう。
忙しくなってるから言葉も短くなってるけど、昔の狂言とか、歌舞伎とか、落語とか、そういうところにはまだまだ古い言葉が残ってるから、それも楽しみにしていて下さい。

タレント・永 六輔 先生

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