そうですね…アメリカのビル・メイという19才の男性の選手が出てきて話題になりました。でも、実は彼が世界で初めてというわけではないんです。これまでに何人も、フランスやスイスなどから、男子の選手はたくさん出てきていたんですよ。
今回は「グッドウィル・ゲーム」という大きな大会に出てきて、銀メダルをとったので、注目されたんですね。そもそも、男子がやっちゃいけないというルールはないんですよ。
でも、やっぱり昔は男の人がシンクロをするというのは、誰も想像すらできなかったんでしょうね。ですから、オリンピックではまだ認められていないんですが、その他の公式大会では、男子も出場を認められています。
この前の「グッドウィル・ゲーム」も公式の大会なんですよ。今回はメダルもとったので、これからは男子も出てきやすくなると思います。ただ、私は男女で種目を分けた方がいいとは思うんですけどね。
それから、男子のチームがないという話なんですけれども、やっぱり今まで女子のスポーツということで取り扱われてきたので、男子の選手があまりたくさんいなかっただけなんです。最近は日本でも小学生の男の子たちがシンクロを始めたりしているので、これから先、人数が増えれば、当然チームも出来てくると思いますし、男子のスポーツにもなっていくんじゃないかなと思いますよ。

こども：どうして最初のころは、女子の方が向いていると思われたんですか？

それはね、体脂肪率って知ってるかな…からだの中の脂肪の割合ね。その体脂肪率が高い方が、水に浮くんです。シンクロというのは、どれだけ長く高く、水に浮いていられるかということが勝負になってくるのね。
で、実は、男性の方が、体脂肪率が少ないんです。ということは、女性の方が浮きやすいから、シンクロには向いているんですよ。

岡野先生：あとね、見ている方としては、女の人のきれいな足がすーっと水の中から出てくるのは「きれいだなー」と思うけど、男の人の、毛むくじゃらの足が出てくるのでは、やっぱり印象が違うと思うんですよね・・・

一同：笑

でもね、水泳をやっていると、あまり生えないんですよ。男子の水泳選手って、からだの毛が少ない人が多いですよ。水圧や水の抵抗で削れてしまうんじゃないでしょうかね。
元シンクロナイズドスイミング選手・奥野　史子　先生