新体操だと、僕がやっていた器械体操とは違って、ナワとかダンスとかあるんだよね。だから踊りも上手じゃなきゃいけないんだよね。まず、あなたはどちらの手でごはんを食べますか？

こども：右手です。

うん、じゃあ左手ではあまりごはんを食べないよね？じゃあ、新体操ではナワとかを右手だけで持ったりするかなぁ？両手で持つよね。ということは左手も上手に使えなければいけないんだよ。
だからね、オリンピック選手になってくると、ごはんを左手で食べる練習をしたりするんだよ。つまりね、右手と左手の両方が同じように使えないと、同じ動きができるようにならないの。
右手だけ、ナワを上手に使えても、演技の中にナワを左手で使うところがあった時に、ギクシャクしちゃって、ちょっと変だったら、なかなかいい点数は出ないと思うんだ。あとさ、あなたは自分の歩いている姿とかを鏡で見たことありますか？

こども：はい！

きれいに歩いてた？

こども：ううん。

そっかぁ（笑）。きれいに歩いてないと、多分、審判の人たちは「ん…？あんまりきれいに歩いてないな」「ヒザが曲がってるな」と思って、減点しちゃうんだよ。
それはジャンプも同じでね、きれいなジャンプをしないと、減点されてしまうのね。だからね、まぁ、まだごはんを左手で食べる練習とかは大変かもしれないけれど、鏡の前で、自分の体がどういうふうに動いているかをよ〜く見てごらん。
するとね、自分で「あ、これはきれいな動きだな」「あ、今きれいに立ってるな」ってわかるようになってくるよ。そうすると審判の人たちも、見たときに「あ、きれいな姿勢で立ってるんだな」というのをわかってくれるようになるし、そうなると、減点をされるところがなくなってくるんですよ。そしたら、いい点が出ると思います。
その辺を気をつけながら、鏡で自分の動きを見たりするっていうのはどうかな？頑張ってね！。
元オリンピック金メダリスト・森末　慎二　先生