いきもの
Q. 雲の高さからバケツ一杯の水を一気に落とすと、地上に着くころにはどうなりますか? (小5 男の子)
A. おねえさん:どうしてこういうことを考えたのかな?
男の子:滝とか、水が高いところから落ちるほど威力が強いから、雲の高さから落ちるとどのくらい威力があるのかなと思って…。
森田先生:君、賢いよね。なぜかというと、こういう疑問を持つからです。ぼくも子供のころ色々疑問を持ったけど、これは思わなかったな。それでは、まず1つに雲が出来る高さってのがあるんですね。雲は大体3000メートル以上ぐらいの高さからあるんですね。仮に3000メートルから落ちるとしようか。それで、3000メートルぐらいのところは、温度は氷点下なの。だから、そこより上のほうから水を落としたりすると、凍るということが1つ考えられるよね。実際に昔、飛行機から誤って水を落としてしまって、それが凍って家の屋根に落ちて、穴をあけたということがあったの。それから、次に考えられるのは、そのままの水で落ちてくるということ。それは、すごく空気が湿っていて、周りの湿度が100パーセントぐらいのときですね。それと、もう1つは、空気が渇いていると水が蒸発するということが考えられることですね。この3つのうちのどれかなと思えば良いんじゃないかな。君はどれだと思う?
男の子:蒸発する…。
森田先生::そう。正解はおそらく「蒸発する」だと思うな。でも、もちろん氷になったりして、そのまま落ちてくる場合もあるよ。だけど、空気が湿度100パーセントということはあんまりないから、バケツ一杯ぐらいの水だったら蒸発しちゃうだろうね。
おねえさん:バケツ10杯分ぐらいだったら、下まで来る可能性はありますか?
森田先生:量が多くなれば可能性はあります。実際、雨は落ちてくるわけですから。雨は最初は雪なんですけれど、雪からどんどん溶けて雨になるんですね。
おねえさん:もしも、地上までたどり着くとしたら、すごい勢いですか?
森田先生:空気の抵抗があるから雨と同じくらいの速さですね。
おねえさん:滝ぐらいの量だったらすごい勢いになるかもしれないですか?
森田先生:そうだね。それは流れる量が多いからですね。でも滝だって、落ちてくる間に小さな粒になってしまいます。滝は下までの距離が短いから勢い良く流れているけれど、何千メートルもの高さから落ちてくると、水そのものが小さな粒になっていくわけ。
おねえさん:じゃあ、結局はたどり着く頃には雨のようになるわけですか?
森田先生:そう。そのままの形で落ちてくることは無い。もちろん凍れば別ですけどね。
三宮先生:「エンジェルフォール」という滝はそんな感じですよね。あそこから落ちてくる滝、下はもう霧ですよ。

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スタッフから:三宮先生がおっしゃる「エンジェルフォール」という滝は、南アメリカはベネズエラという国のギアナ高地にある高低差が世界最大の滝の事です。落差が978メートルもあって、あまりの落差のため、下に水が行き着くまでに水が霧のように粒々になってしまい、なんと滝つぼがないそうです。
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お天気キャスター 森田正光 先生

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