いきもの
Q. カビはなぜ湿っぽいところに生えるの? (小6・おんな)
A.

カビはとっても水がすきなの。水分がいっぱいあるところっていうのは、カビは本当に喜んでくるの。だから日本は梅雨に入るとジメジメになるでしょ。そうするとカビはもう待ってましたといわんばかり活動を始めるんです。

湿度(しつど)、つまり空気の中の水分が多くなるから、うっとうしい空気そのものの中にカビがいっぱいいるわけなんだよね。そして、日本だと1年間にだいたい2000ミリぐらいの雨が降るんですけど、ロンドンでは800ミリ〜900ミリぐらい、日本の半分ぐらいしかふらないんです。ヨーロッパというのはそれぐらい1年中に渡って湿度の少ない所なんです。そうすると、乾燥した気候にはカビの文化というのはほとんどないんですね。まあ、食べられるカビはせいぜいチーズぐらい。

ところがカビの国、特に東南アジア・東アジア・日本はカビがたくさん生えるものだから何でもカビで作っちゃうんです。味噌にしょうゆにお酒まで。それからカツオブシもカビです。カビの国の文化はやはりカビを伴ったものが非常に多いということなんですね。

つまり水分が多い、生きるのに一番適した所にカビは生きているということです。逆にいうと、カビをはやしたくない場合は、部屋の窓を開けて換気をするなどを心掛けたほうがいいと思います。


東京農業大学 教授・小泉 武夫 先生

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