いきもの
Q. 山の天気は変わりやすいというけれど、それはどうしてですか? (小5・おんな)
A.

この夏はどこかの山に行ったりしたの?

こども:富士山の八合目まで登ったの!

すごいなぁ。
確かに、山ではお天気が急に曇ることが多いですね。
それがどうしてかというと、まず、曇ったり雨が降ったりするときってね、空気が上昇していくの。
それは普通の平らなところでも言えることなんだけどね。
でも、山って斜面になってるでしょう?
だから、風が吹いて山の斜面に当たると、山に沿って空気が上にのぼっていって、そこで雲ができたりするわけ。

それとね、空気が上にのぼるってことは、空気が温かい方が登りやすいの。温かいと軽くなるからね。
で、そのときに空気がどうやって温められるかっていうとね、地面に温められるんだ。
太陽が地面にあたって、その太陽の熱で地面が温まって、今度はその温まった地面が空気を暖めるのね。
ちょっと難しいんだけど、平らな地面だと、その上にある空気は、全部同じように温められるのね。
でも山の空気というのは、山の地面にくっついているところだけ温まるの。
山の斜面からちょっと離れたところの空気は冷たいままなんだね。
だから、山のまわりの空気だけが温められるわけ。
それでその山のまわりの空気だけが軽くなるから上にのぼっていって雲になるの。
だから、山のまわりの空気は動くのが早くて、平地では夕立ちは夕方にならないと起こらないんだけど、山の夕立ちっていうのは、お昼頃にはもう起きることがあるの。
そして遠くから低気圧が来たときも、上の方から雨が降りやすくなるんだよね。
だから平地よりも高い山の方が雨が早く降るの。
したがって、平地よりも天気が変わりやすくなってくるわけ。
だから、山に登る人は、朝はやーくから登って、天気が変わりやすいお昼頃には下りてくる、という日程で登るみたいですよ。


気象予報士・大野 治夫 先生

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