いきもの
Q. 山の高さはどうやって測るんですか? (小5・女)
A. 山の高さは、「海抜(かいばつ)何メートル」という言い方をします。これは「海の水の表面から何メートル」という意味なんですね。
ただ、ここでひとつ問題があります。それは「海の潮の満ち引き」です。海はね、時間で水面が高くなったり低くなったりします。だからどこを基準にするかということが問題になります。
じゃあどうするかというと、一番波が高くなるところと、一番低くなるところの真ん中、つまり平均を取って基準としています。その場所を水準原点(すいじゅんげんてん)というんだけど、そこから山の高さを測っていきます。高さを測るポイントは「三角形」。
三角形には、「1つの角度と2つの辺の長さが分かれば、その三角形の形は決まってしまう」という性質があります。その性質を利用して、水準原点から距離がどのくらいか、角度がどのくらいかを調べます。角度は水平方向・横の角度と、垂直方向・上下の角度をたくさん調べて、それをつないでいきます。
そして初めて山の高さがわかるんです。これは街なかでも同じことをやってますよ。「測量(そくりょう)」っていうんだけど、棒を持っている人とそれを望遠鏡みたいなものでのぞき込んでいる人がいるでしょ。あの人たちは同じやり方で様々な場所の地面の高さを測ってるんです。山の高さを測るのも同じ事の積み重ねなんですね。

気象予報士・大野 治夫 先生

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