いきもの
Q. 人工衛星とかの機械は2000年になって振り出しにもどっちゃうと、どうして止まってしまうんですか? (小5・おんな)
A.

2000年問題はいろいろ心配されているけど、おもに、コンピューターのプログラムの問題なんだよね。

たとえば人工衛星のコンピューターなんかも、今が何年の何月何日何時何分何秒っていうのをいつも判断しています。で、僕たちは1999年のことを簡単に99年って言い方をすることがあるでしょ。それと同じように、むかし作ったプログラムが、4ケタじゃなくて2ケタで判断するようになっていると、2000年になったとたんにくるっちゃうんですね。00年になったことで1900年とまちがえることがあるかも知れないの。だから、たくさんある中のどこかのプログラムがそういうまちがいをしちゃうと、全部の機械がおかしくなって動かなくなることがあるんですよ。人工衛星も、落ちちゃうわけではないけど、ちゃんと役割を果たせなくなるんだよね。

たとえばスペースシャトルでは水を燃料電池で作っているんだけど、それを動かすためのコンピュータが止まったりすると、水を作ることができなくなっちゃうの。そうすると、スペースシャトルに乗ってる人たちは飲む物がなくてこまっちゃうよね。そのために、水も予備を持って行ったほうがいいかなとか、そういう心配をしているんです。

僕たちの研究所ではいま人工衛星が6つ飛んでいるんだけど、それぞれに積んでいるコンピュータのソフトウェアを一生懸命点検しているところなの。でもコンピュータのプログラムというのは100パーセントこれで大丈夫、ということは言えないんですよ。だからいろんな場合のことを考えて、世界中が一生懸命、点検しています。


宇宙科学研究所・的川 泰宣 先生

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