いきもの
Q. 動いている船の上でジャンプしても海に落ちないのはどうしてですか? (小4・おんな)
A. キミはすごくいいことに気がついたね。
そうなんだよ、自動車の上なんかだと、ジャンプしたら落ちちゃってあぶないけど、船だと落ちないよね。これは電車の中でも同じなんです。
なぜそうなるかっていうと、実は、キミが船に乗っている時は、キミにも船と同じ勢いが付いているからなの。キミ自身も船と同じ速さで移動しているわけ。
例えば、船が時速20キロで移動しているとすると、キミも時速20キロで移動していることになるんだ。つまりそこでジャンプしても、ジャンプと同時にキミ自身が船と同じ方向に時速20キロの速さで移動しているってことなの。だから船から落ちたりはしないわけです。
でもね、ジャンプしたときに空中にいる時間が長いと、船は時速20キロとはいえ動いているから、自分も一緒に動いていても、自分のほうは空中でだんだん勢いがなくなるので、やがては本当に海に落ちちゃうわけ。
でも実際には、空中にいる時間が長いなんてありえないでしょう。ジャンプして上がっている時間なんて数秒だから、空気の抵抗なんかで自分のスピードが時速20キロよりも少し落ちて、わずかに後ろに5センチとか10センチずれてるぐらいで、きちんと船の上に戻るわけね。
このことは、キミがもう少し大きくなると学校で習うと思うんだけど、「慣性(かんせい)の法則」と言います。百科事典なんかにもかならず「慣性の法則」っていうのが載ってるから、調べてみるのもいいと思うよ。今はまだちょっとむずかしいかも知れないけどね。
自分も船と同じように動いているんだと覚えておくといいですよ。電車の中でも同じでね、ジャンプしても同じ所に戻ります。

お天気キャスター・森田 正光 先生

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