「オジギソウ」って、ちょっとさわると、葉っぱを閉じておじぎしてるみたいになるんだよ。あれはとっても礼儀正しい植物で、「かわいいかわいい」となでてやると「ありがとう」っておじぎしてくれるんだよね。おもしろい植物だよねぇ。植物って動かないって言われるけど、あれを見ていると、植物でも動くものがあるんだなと思います。

それで、オジギソウというのは、葉っぱの付け根のところに水のたまる場所があって、ふだんはそこに水がたまっているんです。でも、オジギソウをさわると、その水が茎のほうにヒュッと流れちゃうの。すると、それまでのように葉っぱがピンッと立っていられなくなるもんだから、ふくらんでいた風船の空気が抜けたみたいに、しおれてしまうんですね。それがおじぎをしているみたいに見えるというわけなんだけど、実はここからが大切な話でね、オジギソウは、あまりおもしろがってさわっていると、そのうちに言うことをきいてくれなくなっちゃうんです。だんだん反応がにぶくなっちゃうの。だから、あんまりさわらないほうがいいです。こういう様子は、たしかに一種のストレスといえるかもしれませんね。

オジギソウにかぎらず、「植物にも最近、ストレスがあるんだ」ということを、世界中の人達がいろいろと研究しています。こうしてみると、ストレスも人間だけのことではないみたいですね。

園芸研究家・柳　宗民　先生