ちょうど今、東京でもタンポポが咲いてます。確かに、花が終わると、綿ぼうしをかぶったようになるよね?キミは、タンポポの綿毛をフーッて吹き飛ばしたことある?
こども:ある
どうなった?
こども:とぶ
そう、風にのって遠くまで飛んでいっちゃうよねぇ。今度ね、綿毛を1本ずつよーくみてごらん。上の方に綿毛があって、その下に細い糸っていうか、棒みたいなのがくっついていて、さらにその下がプッてふくらんでるはずなんだよ。そのふくらんでるところが、実は「種(たね)」なの。どんな植物でも、種が遠くまで運ばれる仕組みを持ってます。で、タンポポの場合は、風で飛ばされるような仕組みになってるわけよ。ああいう綿毛がついてると、風が吹いたときに、風に飛ばされやすいじゃない?だからこういう種類の植物は、風を利用して種をできるだけ遠くまで飛ばしてね、それでどんどんタンポポが増えるような仕組みを持ってるんです。そのために、タンポポは花が終わると種を遠くまでまき散らそうとして、綿毛をつけたの。それで、風が吹いたらそれに乗っかって、遠〜くの方まで運ばれていって、落っこちて、そこから芽が出て、そしてまた花を咲かせるんだよ。そうやってタンポポはどんどん広がっていくわけなの。わかるかなぁ?
で、こういう風に、種に毛がついて飛ばされる植物っていうのは、タンポポ以外にもたくさんあります。タンポポはキク科の植物なんだけど、キク科の植物にはタンポポと同じような綿毛をつけて種を飛ばすものがたくさんありますよ。今度ね、色々な植物の花が終わったとき、よく観察してごらんなさい。
あ、これも毛がついてる、あれも毛がついてるっていう風に、きっといろいろなものが出てくると思いますよ。
園芸研究家・柳 宗民 先生
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