おんがく・え・ずこう
Q. 今、バッハとカバレフスキーの曲をピアノで弾いているんですけど、注意する点があれば教えてほしいです。 (小5、女の子)
A. 青島先生:バッハは何を弾いていますか?
女の子:インベンションです。
青島先生:これはですね、右手と左手を別々に動かす曲なんですよ。バッハさんというのは、キリスト教徒だったの。キリストの考え方というのは、右手が偉いとか左手が偉いという考えがないので、両手が同じくらいに動かないとダメなんです。例えば、人間も高い声が出せる人が偉くて、低い声が出せる人が偉くないという考え方は、神様の前ではないわけ。だから、右利きの人も、左利きの人も同じなんだということで、「(スタジオのキーボードを弾きながら歌う)♪ドレミファミレドソ♪ドレミファミレドソ♪ソラシドラシソレ♪ソラシドラシソレ♪」と両手が同じ動きになっているわけ。それで、あなたは右利きですか左利きですか?
女の子:右利きですか。
青島先生:それならば、まず、左手のほうを先にお稽古したほうがいいです。そうして合わせると良いです。それから、カバレフスキーというのは、どこの国の人か知っていますか?
女の子:知りません。
青島先生:彼はロシアの人なんです。以前、ロシアはソビエト連邦と言われていたんですけど、その時代の人です。色んな曲があるんだけど、この人はこどものための曲がたくさんあるの。で、何と言う曲を弾いていますか?
女の子:「夢」です。
青島先生:はい。その曲は、私が今ここで、すぐに弾くことは出来ないんですね。というのも、600曲ぐらいあるから。ただ、このカバレフスキーという人はロシアのこどものために曲を書いたの。だから、ロシアのこどもはどういう遊びをしているのかとか、ロシアのこどもはどういう夢を見るのかとかということを考えて弾いたほうが良いです。例えば、遊びだったら、雪とか遊んでいると考えたり、そして、夢だったら、私たちなら雪の夢を見ることもあると思うんですよ。雪合戦をしたいとか。だけど、きっとロシアの人は寒いところに住んでいるので暖かい夢を見ると思うんですよ。だから、暖かい雰囲気で弾くということもあると思います。それと、カバレフスキーは今のうちのあなたではなくては弾けません。それは、やはりこどものために書かれた曲だからなの。彼が大人のために書いた曲はないので、頑張って弾いてください。

作曲家でピアニストの青島広志 先生

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