おんがく・え・ずこう
Q. バイオリンの練習が嫌になってしまうんですけど、どんな気持ちでやれば楽しくできますか? (小4、女の子)
A. おねえさん:バイオリンは何年ぐらいやっているのかな?
女の子:えっと…、もうすぐ3年です。
おねえさん:練習している間にだんだん嫌になっちゃうの?
女の子:はい。
青島先生:じゃあ、まず教えて欲しいんだけど、バイオリンをやり始めたきっかけは、お家の人にやりなさいって言われて始めたの? それとも自分でやりたいと思ったの?
女の子:自分でやりたいと思った。
青島先生:本当、それだったら、大丈夫だと思いますよ。そうですね、色々と解決方法はあると思うけど、一番の荒っぽい方法は、今から、ちょっとお稽古(けいこ)を休んじゃうことかな。それで、バイオリンにも触らない。それによって、バイオリン無しでも生きていけるな、楽しいなと思ったら、バイオリンとさよならしても私は良いと思う。だけども、どうしてもバイオリンが弾きたくなるときが来ます。そういう風に仕向けているわけではないのですが…(笑)。実は、私もピアノが嫌になったことがあるんです。ピアノに触らないと思っていたんですけど、2日もするとやっぱり触っちゃうんですよ。ですから、ちょっとやめて、どこかに遊び行ってみて、手がバイオリンを持ちたくなるのを待つというのが一番荒っぽい方法ですね。それは嫌かな?
女の子:あたしはバイオリンの普通のレッスンとオーケストラをやっていて、きょうはオーケストラの方を休んじゃったんですけど…。
青島先生:それはね、本当は休まないほうが良いんだけど、ただ、一人休んでもそれほど違わないような気がする。つまりね、バイオリンのパートは他に何人もいるから、きょうは病気だったことにして、次からは行けば良いと思えばいいし、それと、バイオリンを弾きにいくと思わないで、友達と遊びに行くと思えばいいんじゃないかな。あなたは、そのオーケストラの中で一応は弾けているんでしょ?
女の子:はい。
青島先生:ちゃんと弾けているなら、みんな、あなたのことを尊敬していますよ。
だって、弾けない人が後ろのほうにいて、弾いたまねをしているんですよ。だから、ちゃんと弾けているなら、自分は偉い人だと思ってしまったほうが良いですよ。それから、そのオーケストラの中でみんなに教えてあげるつもりで行ったほうが良いです。私なんか、ピアノのお稽古で全然弾けないときは、自分より弾けない人がいっぱいいるんだろうとか、隣の犬はピアノは絶対弾けないなと思うと、なんか嬉しくて、ピアノを犬にも聞かせたくなっちゃうのね。そういうところから始めたほうが私は良いと思う。それから、あなたは本当にバイオリンを弾くという素晴らしいことをしているので、続けたほうが良いです。でも、お休みすることも大事なの。私はそんなことぐらいしか言えないけど。ところで、今はレッスンで何を弾いているの?
女の子:えっと、「ハンガリー舞曲」を弾いています。
青島先生:これね。(♪スタジオにあるキーボードでハンガリー舞曲を弾く♪)
女の子:そうです。
青島先生:それなら大丈夫ですよ。これが弾けるということは相当なものですよ。それと、お家の中でお父さんやお母さんの前で発表会をやるっていうのも気分が変わっていいかもしれないですね。
おねえさん:きょうは、何で行くのが嫌だなと思ったのかな? 雨が降っているからかな。
女の子:なんか…、家で練習にしていなかったので、不安になっちゃったから…。
青島先生:あのね、そんなにみんなも練習してませんよ。だって、学校に行ったりしていて忙しいわけでしょ。それに、きょう、練習に行くわけだから、お家で練習しなくてもいいですよ。それに練習に行くことが練習だと思ったほうが良いです。
永先生:あなたね、昔から言われている言葉で、音楽を嫌いなこどもは一人もいない。でも、音楽の先生が嫌いなこどもは沢山いるという言葉があるの。音楽って音を楽しむって言葉なのにね。
おねえさん:でも、お休みをしても良いと言ったら、気持ちが楽になったんじゃないかな。
女の子:はい。ありがとうございました。

作曲家・ピアニストの青島広志 先生

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