おんがく・え・ずこう
Q. ベートーベンやモーツァルトが作った曲の中で一番短い曲はなんですか? (小3、女の子)
A. おねえさん:この質問は放送に出るのがとても恥ずかしいということなので、おねえさんが代わりに先生方にうかがいます。
青島先生:じゃあ、私の知っている限りで答えます。モーツァルトは626曲を作っています。一番はじめに作った「K.(ケッヘル)1a」の「アンダンテ」というのは、確かこういうのでした。♪(青島先生がスタジオ内のキーボードで弾く)♪
おねえさん:曲は17秒でした。
青島先生:そうですか。これは5歳のはじめのころに作ったものです。それからベートーベンで一番短い曲は、輪唱曲(りんしょうきょく)の「♪静かな湖畔(こはん)の…」なんて曲があるんだけど、「(青島先生がキーボードを弾きながら歌う)♪♪タッタタッタッタッタッ〜 ♪ 親愛なるメルツェル〜♪」という曲があって、この4倍の長さの曲なんです。この曲はお友達のメルツェルさんに作ってあげたもので、メルツェルさんは、発明家で「メトロノーム」を作った人なんです。そして、ベートーベンの補聴器を作った人でもあるの。ベートーベンはその補聴器がよく聞こえたので、うれしくなって、このメトロノームは、新聞でいろいろな人にすごく良いよと言ってあげようとこの曲を作ったの。これがベートーベンの中で一番短い曲です。ただ、この先ベートーベンの曲がさらに見つかってくるかもしれないので、その時には変わるかもしれません。それから、曲とはいえないけど、ベートーベンが作った一番短いメロディというのは…、♪ ジャジャジャジャーン(「運命」の始まりのメロディを弾く)♪。これは運命の動悸(どうき)といって、恐い運命が自分の家の扉を叩いてきたという、それがこの音だと言っているんです。ですから、もしかしたら、これが一番短いメロディなのかもしれません。
おねえさん:クラシックの音楽は長い音楽だと思っていましたけど、短い曲もあるんですね。

作曲家・ピアニスト 青島広志 先生

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