おんがく・え・ずこう
Q. 学校のバンド部でトランペットしていて息が苦しくなったりするんですけど、どうしたらいいですか? (小6・女の子)
A. 佐渡先生:トランペットは確かにすごく肺(はい)をつかう楽器です。でも、あなたはこれからまだ身長も伸びるでしょう。だからどんどんトランペットを吹くのは楽になっていくと思います。
だけれども、吹いていくうちに段々しんどくなっていたり、くちびるがいたくなっているなら、きっとどっかに無理がかかっているのかな。不自然な力がかかっていなければ、かなり長い時間吹いていても大丈夫ですよ。
お姉さん:山村先生、トランペットの作りから、こうしたらいいとかありますか?
山村先生:苦しくなるというのは、どういう感じかな? クラクラとしちゃうのかな? トランペットを吹くときに息をたくさん吸うでしょう。呼吸するのと同じ様にすってしまうと「過呼吸(かこきゅう)」というんだけど、身体の中にドンドン酸素が増えてしまってフラフラしてしまうこともあると思います。だからたぶん、楽器を吹く人は身体の中に入れる空気と楽器を吹くための空気と分けているんじゃないかな? あんまり激しく呼吸をするとたいへんだから練習で色々な吹き方を教えてもらうといいと思いますよ。
佐渡先生:そうですね。たぶんやっていると思うけど、ひとつの音をながーい時間ずっと吹く練習しているかな?
こども:はい。
佐渡先生:実は、それが一番大切なんです。ちょっとお話すると、すごく有名な「おじいちゃんチューバ演奏者」がいたんですね。その人は、肺が片方しかなかったんです。病気で片方をとってしまったんですね。しかし、その人の肺には6000ccも空気が入ったんです。たぶん、楽器を吹くトレーニングをした結果、それぐらいになったみたいです。
山村先生:呼吸のための息の量がかならずしも大きい必要はないんです。逆にいうとあんまりたくさん吸ったそのまま身体の中に入れてしまうと身体もたいへんだからその点は練習するのがいいんじゃないんですか?
パックン:あなたは何年ぐらいやっているの?
こども:1年ぐらいです。
パックン:あっ、なんだ。まだそれぐらいしかやっていなかったんだ。僕なんかは12年間トロンボーンをやっていましたがまだ苦しいよ。練習すればコツは覚えます。それに、たとえば自分が苦しくなってとなりの人がもしキチンと吹いていたら休んだっていいと思います。助け合いでいきましょう♪
佐渡先生:それもありですね。
それにひとつ覚えておいて欲しいんだけど、オーケストラやブラスバンドを人が聞いていてなぜ感動するのか。それは簡単なことをやっているから感動するのではなくて、難しいことを楽器を吹く人が乗り越えて、人に見せるからはじめて感動するんだと思います。もちろん、問題を自分で解決していくとは大切だけど、つきつめていくとこれからもっともっと苦しくなっていくと思います。無理しないで。でも頑張ってみてね。

指揮者:佐渡裕/英語の先生:パックン/理科の先生:山村紳一郎 先生

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