おんがく・え・ずこう
Q. 僕は合唱団に入っているんですけど、朝だとなんだか声が出ないんです。それでも無理して練習しなくちゃいけないんですか? (小3・おとこ)
A.

キミはどのパート?

こども:ソプラノ。

じゃあ高くてつらいよねぇ、よ〜くわかります。
でもキミの声は、ソフトでとってもいい声だよ。
私が今までで一番早く歌ったのは、学校の音楽鑑賞会をまわっていたときのことなんですけど、朝礼の時間なので、朝8時15分に歌ってたのね。
だから、そのために4時に起きてました。
今朝だって、声が出ないと困るから5時に起きたんですよ。
あのね、声を出すのは食道(しょくどう)の前側にある、声帯(せいたい)っていうところなのね。
ここは筋肉で出来てるの。
ということは、普通のスポーツと同じでね、走ったりする前は準備運動をするでしょう?
筋肉をほぐしてからじゃないと、足がつったりしちゃうよね。
それと同じで、歌う前に体を少し動かして、温めて、小さな声からだんだん出していくことが一番大事なの。
これを発声練習っていうんだけど、「ん〜〜〜♪♪(中島先生ハミング)」っていうふうに始めるのね。
そして、「ん〜ん〜ん〜ん〜♪♪(ハミング)」ってこれぐらいやわらかく出れば大丈夫。
次にもう少し強く、「マママママァ〜♪♪」って出してみる。
こうやって、こつこつやっていくと、積み重なっていって、いつでも声が出るようになるの。
朝は本当に声が出にくいからね、うがいをするときに、「アァ〜ッ」て声を出しながらするのもいいのよ。
あとね、すぐに歌わなきゃっていうときは、とっておきの方法があります。
それはね、温かいお味噌汁を飲むことなの。
もちろん、ミルクでも何でもいいんだけど、温かい飲み物を飲んで、ノドを温めてあげて下さい。
食べ物や飲み物は食道のほうを通っちゃうけど、体は自然と温まってくるからいいんです。
だから、無理していきなり大きな声を出すのはやめて、こつこつと発声練習をしていくと、楽に出るようになりますよ。
でもね、男の子は大きくなると「変声期」っていうのがあって、高い声を出すのがつらくなってくると思うの。
そしたら無理せず、ちゃんと先生に言って、ノドをみてもらって下さいね。

オペラ歌手・中島 啓江 先生

[戻る]