にんげん・せいかつ
Q. なぜ、食べ物は食べたらなくなるんですか? (6才、女の子)
A. おねえさん:お皿からということかな?
女の子:はい。
おねえさん:そうだよね。お皿が空っぽになっちゃうもんね。きょうは朝ごはん食べたかな?
女の子:はい。
おねえさん:朝ごはんも空っぽになっちゃったかな?
女の子:はい。
神津先生:そうだよね。食べたものは口の中に入って、胃袋に入って、胃袋の中でぐちゃぐちゃとなって、それからお茶飲んだりしたら、それも入って、それからその食べたものの中で、これは骨になろうとか、これは肉になろうとか、これはエネルギーになろうと思った体の中の必要なところに分かれていって、最後にトイレに行って、体から出てくるものになって、それがまた流れていって、それがどこかの栄養になって、それからまた新しい野菜とか葉っぱとかになって、それを牛が食べたりなんかして、その牛をまた、お母さんとかが買ってきて、それをあなたに食べさせてあげてという風なことだと言うと、それは消えてないかもしれないね。消えたように見えるけど、ぐるぐると世の中を回っている感じなのかもね。
例えば、鉛筆で何かを書いていると鉛筆の芯って丸くなってなくなっていくじゃない。でも、紙の上には鉛筆の芯の粉が残っているでしょ。鉛筆の芯はなくなっているように見えるけど、紙の上には別の形で残っているでしょ。そういう風に考えてみたらどうだろう。
遠藤先生:あなたは6才だから、体がどんどん大きくなっていますよね。体重が重くなったり、背が高くなったりするでしょ。それはなぜかと言えば、食べ物を食べているからなんですね。だから、食べたもののかなりの部分は自分の体に変わっていくんですね。お皿の上からは消えてしまうかもしれないですけど、どんどん形を変えて世の中のどこかにはあるんだよね。

エッセイストの神津カンナ先生/京都大学霊長類研究所の遠藤秀紀 先生

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