にんげん・せいかつ
Q. 気温が38度だとすごくあついのに、お風呂だとあまりあつくないのはなんでですか? (小4・女の子)
A. 山村先生:これはすごくむずかしい問題だぁ。まず、空気と水のとくちょうのちがいがあるんです。空気は熱があまり流れていきにくい。「コップいっぱいの空気」と「コップいっぱいの水」では、水のほうがたくさんの熱をためられるというとくちょうがあるんです。これは難しい言葉でいうと、熱伝導率(ねつでんどうりつ)とか、比熱(ひねつ)と言います。まず、空気と水のとくちょうにちがいがあることをひとつおぼえておいてください。
その上で、「温度を感じる場所」と「空気と水のとくちょう」によって感じ方にちがいが出てきます。気温が38度といっても、全部の空気が38度というわけじゃないよね。たとえば、38度の場所にいても「日なた」と「日かげ」じゃ「あつさ」がちがうよね。これと同じように「人間のはだ」の表面の近くにある空気がかならずしも38度の気温と同じ温度だとはかぎりません。じつは気温が38度の場合は、「人間のはだ」の周りの温度は、体温によってもう少し高くなることは分かっているんですね。だから、気温が38度でもじっさいはそれよりも高い気温の中に人間はいることになるわけです。これが気温が38度でも、それよりもあついなぁと感じるひとつのりゆうです。
次に「気持ち」で変わってくる温度の感じ方のちがいです。
あなたはどのくらいお風呂に入っていますか? 10分ぐらいかな?
こども:10分もはいっていないです。
山村先生:そうだよね。お風呂はずっとはいっていることはないよね。あつくなったら、かならず外に出られるんです。でも、空気の中からはでられないよね。そういったところから感じるあつさのちがいもあるんです。
そして今度は「人間の体のつくり」から感じる温度のちがいです。あなたは「ゆぶね」にはいる時、頭から入りますか?
こども:はいりません。
山村先生:そうだよね。だいたい肩までだよね。首のちかくには多くの「血えき」が集まっています。ですから、お風呂の中だとお湯が首にあたることはないので、体温がなかなか上がっていきません。40度ぐらいのお風呂に入っても、数分たってやっと体の温度が1度か2度上がって気持ちいいなぁと感じるんですね。でも、空気の中だとずーっと頭から足まで全部が38度だよね。体はもともと36度ぐらいだから、なんとか「ねつ」を下げようとがんばります。でも、頭の先から足の先まで全部が38度でなかなか温度が下がらないような状況になってしまいます。それではあついなとかんじてしまうよね。こういったことがいろいろからみあってあなたがふしぎに思ったことがおこるんですね。
でも、いい所に疑問を持ちました。これはりっぱな自由研究になります。たとえば、牛乳パックに水を入れてください。これをあなたの体だとします。それを日なたに置いておいて、牛乳パックの外の温度と中の温度を時間ごとに測ってみてください。今度は、その牛乳パックを水の中にしずめる。そして牛乳パックの外の温度と中の温度を測ってみてください。これをグラフに書くとおもしろいですよ。その変化の様子が分かってもらえると思います。

理科の先生:山村 紳一郎 先生

[戻る]