ほし・うちゅう
Q. どうして土星の輪っかは、重力でくっついてしまわないんですか? (小6・おんな)
A.

僕ね、このあいだ、児童館の「星を見る会」で小学生といっしょに土星と木星を見たばかりなんです。その時に小学生が土星を見てまず言ったのが「あ、これ、目玉焼きみたい」だって。木星を見たときは「あ、これハンバーガーだ」って言うんだよ。みんなお腹すいてたのかな。
それでね、目玉焼きに見えた土星なんですが、丸い本体があって、そのまわりを輪っかが取りまいています。あの輪っかはなにで出来ているかと言うと、実は氷なんです。氷のかけら。平たい氷だったら大きなスケートリンクになるけどね、土星の輪は一枚の平らな氷じゃなくて、氷のかけらが無数に集まって輪の形になっているんだ。キミは小学6年生だから、「引力」という言葉を知ってるよね。

こども:はい

そう、物はみんな引っ張り合う力があります。で、引力だけだと土星の輪は土星の本体にどんどん引きつけられていっちゃうんだけど、「釣り合う力」というのがちゃんと働いているの。たとえばバケツに水を半分くらい入れてグルグルと振り回すの、やったことあるかな?

こども:あります

そうすると、バケツが上のほうでさかさまになった状態でも、水は落っこちてこないよね。これが「遠心力」という力。外側に向かう力なのね。土星もまわってるから遠心力が働いていて、それが土星の引力と釣り合っているので、あの輪っかは土星の本体のほうに引っ張られていかない、ってことなんだ。スペースシャトルも地球の周りをグルグルまわっているけど、あれも打ち上げるときに遠心力を与えているので、地球に落ちようとする引力と遠心力とが釣り合って、グルグルまわっているんです。力関係がうまく釣り合っているんだよね。


五島プラネタリウム・国司 真 先生

[戻る]