その他
Q. 打ち上げ花火には、いったん飛んで一瞬消えてから火花が出るものがありますが、どういう仕組みになっているのですか? (小6、男の子)
A. 天野先生:あなたが見た花火は「ドンッ」と上がって夜空に何も見えないのに、次に小さな花火が「ババババババッ」と咲く花火ですか?
男の子:それです。
天野先生:これは小さい花火と書いて「小花(こばな)」といいます。花火というのは1つの花火が「ドンッ」と打ち上がってそのまま咲くものと、1つの花火の中に花火玉のような物が何個も入っていて、それをまとめて上げるものがあります。小花というのは後者の方で、一発の花火の中に、また花火の塊がいくつも入っているものを言います。花火には導火線があって、外と中の花火に火が通るところが1本しかなく、打ちあがって、中の小さい花火にも火は入っていますが、なかなか火がつかないようになっています。上空に行ってからまた中の花火の線に火がついて、それが咲く!
2段階の花火の道があります。ですから時間差攻撃で上がって「ドンッ」といくのですが、はじめは真っ暗で、次にある程度距離を保った時にまた咲き始めます。難しいですが、1つの花火の火が入る線が「ドンッ」という音と同時に開き、2つの花火の通る道があれば、「ドンッ」といってからまた火が入って時間差で広がっていくという、時間差攻撃の花火になりますね。
おねえさん:一瞬消えている時というのは、小さい花火の導火線を進んでいる最中ということですか?
天野先生:そうです。
おねえさん:それで、そこに入るとまた小さいのが「パッ」と咲く。
天野先生:そういうことなのです。

鍵屋15代目、花火師の天野安喜子 先生

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