その他
Q. 新聞記者の人が撮った写真の中に心霊写真が写ったことはあるのですか? (中1、男の子)
A. 長倉先生:君は心霊写真みたいのを新聞で見たのかな?
男の子:見てはいないです。
長倉先生:偶然、人間の顔のように見えたり、そのときの蒸気や空気が写ったり、自然な模様が顔や動物に見えたということはあると思うんだ。実際に心霊的なものが写るかというのは分からないな。ぼくはアマゾンを取材した時に聞いたんだだけど、あるカメラマンが「シャーマン」という霊的なことが出来る人の写真を撮ろうとした時に、カメラがぐにゃりと曲がっちゃったんだって…。すごい強いカメラが圧力が掛かったようにぐちゃってなったんだって。それを聞くと、霊的な力を持った人は必ずいて、それが出る場合がある。だから、写真に霊的なものが写らないとはいえないと思う。
ただ、ぼく自信は10万枚以上写真を撮ってきたけど、そういうものが写ったということはない。そういう力がないのかもしれない(笑)。それと、シャーマンというのは祈祷(きとう)、お祈りで病気などを治したり、あるいは体を抜け出して、魂がアマゾンにいるのにシベリアまで飛んで行ったというようなことをする人のことなんです。でも、それは嘘の場合もあるし、相手を安心させるための心理的な効果もあるし、ただ、実際にそういう力を持った人もいると思う。
池上先生:私は、心霊写真はたまたま光りの関係でそういう風に見えたと、人間って色んなところで、そういう風に見たくなるところがあって、心霊写真なんて存在しないと思います。
遠藤先生:ぼくも科学をやっていますので、そういうものを信じたい社会や心情というものは理解しますけど、実際に存在するかというと、ここでキッパリと「無い」と申し上げたいと思います。でもね、そういう心霊写真や心霊現象などを信じる社会や文化、伝統というものは必ずありますから、君もそういうものに興味をもって色々調べてみたらいいと思います。
長倉先生:そうそう、あと1つね、写真というのは、昔、日本でもそうだったんだけど、侍の時代やグアテマラとかの南米でもインディオの人をカメラで撮るときに、写真で魂が抜かれると思っていて、写真をすごく嫌がるケースがあるの。写真というのは、真を写すと書くんだけど、時には撮られる人にとっては魂が抜かれると思っていたところがあるのね。だから、ぼくはね、池上先生と遠藤先生には否定されたけど、ゼロじゃないと思う。
遠藤、池上両先生:(笑)

フリージャーナリストの池上彰先生/フォトジャーナリストの長倉洋海先生/京都大学霊長類研究所の遠藤秀紀 先生

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