その他
Q. 南極にある氷と普通に家庭にある氷はどう違うのですか? (小4、女の子)
A. おねえさん:南極の氷というのを見たりしたことがあるのかな?
女の子:自衛隊のところで南極の氷に触ってみた。
おねえさん:どんな感じだったのかな。
女の子:手がひりひりするくらい冷たかった。
中山先生:それは海上自衛隊のところで氷山の氷を見せてもらったんじゃないかな。大きな塊だったでしょ?
女の子:はい。
中山先生:海上自衛隊の「しらせ」という南極観測船が南極の氷山の氷を持ってきて、見せてくれたんだと思う。ちょっと、大人の話になりますけど、遠藤先生、森田先生、もしかしたら、氷山の氷が入ったオンザロックってお酒飲んだことあります?
遠藤先生:氷山のお酒は飲んだことがないな…。
森田先生:僕はありますよ。気象庁の越冬(えっとう)隊員の方が沢山持ってきてくれて、それをいただいたことありますよ。
おねえさん:南極の氷でお酒を飲んだんですか?
森田先生:そう。プチプチプチって小さい音がすごくするんですよ。
おねえさん:サイダーみたいですね。
中山先生:そうなんです。プチプチって音がしますよね。そして、サイダーみたいに小さい泡が出てきます。普通の家庭の氷では、そういうことは起きませんよね。ただ単に溶けるだけです。南極の氷はプチプチと音をさせながら、小さな気泡が出てくるんです。元々、南極大陸の上に、沢山の降り積もった雪が氷になって、ずっとずっと長い時間を掛けて、だんだん海に押し出されて、海に浮かぶ大きな氷山という氷の山になったの。大きいのだと島ぐらいあるんですよ。つまり、雪が降って氷になるときに、雪と一緒に空気も沢山、氷の中に閉じ込めてしまうの。そして、氷になった時、眼には見えないんだけど、水の中に入れると中に閉じ込められた空気がプチプチ出てくるんですよ。
森田先生:それは何万年前の空気なんですよね。この空気を分析すると、そのころの空気がどうなっていたかが分かるんですよ。まるで、氷のタイムカプセルみたいですよね。
遠藤先生:冷凍庫でそういう氷が作れたら楽しいですよね。少し工夫すれば、空気を入れられそうですけどね。
森田先生:でも、圧力を掛けなければいけないでしょうね。
中山先生:もう一つ違うのは、家庭の氷って、外に出すと最初は透き通っているけれど、すぐに真っ白になってしまうんですね。でも、南極の氷ってぎゅっと硬く凍って余計なものが混じっていなくて、とても綺麗な透明に見えるんですよ。
おねえさん:家庭の氷は水から凍ったもので、南極の氷は雪が凍ったものということが一番の違いになるのでしょうか。
中山先生:そうですね。南極の氷は何万年も前の雪が凍ったものなんですよ。

朝日新聞記者の中山由美先生/京都大学霊長類研究所の遠藤秀紀先生/お天気キャスターの森田正光 先生

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