その他
Q. どうして算数には足し算があるのに国語にはないのですか? (5歳、女の子)
A. 青島先生:私は国語にもあると思う。足し算とは言わないけど、例えば、「あなた」と「お母さん」という言い方があるよね。その、「と」と言うのが足し算になると思う。「あなた」と「お母さん」と「お兄さん」と言うと、「と」が3つあって、足し算になると思う。それと、音楽でも「ド」と「ミ」と「ソ」と音を合わせると、「和音」というのができるから、やはり足し算はあるんだと思う。
おねえさん:それでは、体操ではどうでしょうか。森末先生、いかがですか?
森末先生:体操ですか!? そうですね、技と技を足して1つの技ができるということはあるかもしれない。組み合わせた技を逆に抜くことによって、引き算になってできる技もあるかもしれない。
おねえさん:例えば、実際に両手でやる技を片手でやったらもっと難しくなるわけですよね?
森末先生:そうですね。「片手車輪」なんかがそうですね。
おねえさん:なるほど。さて、宇宙には足し算がありますか? 的川先生いかがですか?
的川先生:はい、宇宙は足し算だらけですけれども、ところで、あなたは国語で足し算がないことが不満なのかな? それとも、国語にも足し算があれば良いなと思ったのかな?
女の子:はい。
的川先生:好きなんだね、足し算が。
青島先生:私も増える方がお金持ちになった気がして、そちらの方が好きです。
森末先生:(笑)だからね、国語にも足し算はあるんだよ。
的川先生:私はね、ちょっと難しいかもしれないけど、「菜の花や 月は東に 日は西に」なんて俳句があるんですけど、こういうのはかけ算だと思うんですよね。心の中で1つの言葉を言って、その次の言葉を言うたびに気持ちがぐんぐん盛り上がって、情景が段々よく分かってくる。こういうのは足し算よりもっと激しく足し合わさっているものだと思いますね。だから、足し算という「計算」があるわけではないけれど、人間の心を表現するのは足し算などの計算に相当するものだと思いますね。

スタッフから:的川先生が紹介した俳句は、江戸時代の俳人、与謝蕪村(よさぶそん)が作ったものです。

作曲家・ピアニスト 青島広志先生/スポーツキャスター 森末慎二先生/宇宙航空研究開発機構 的川泰宣 先生

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